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お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ダイ・ハード ラスト・デイ

2013-02-27 | 映画(た行)

■「ダイ・ハード ラスト・デイ/A Good Day To Die Hard」(2012年・アメリカ)

監督=ジョン・ムーア
主演=ブルース・ウィリス ジェイ・コートニー センバスチャン・コッホ ラシャ・ブコヴィッチ

第1作を観たのは大学生のとき。高所恐怖症の僕は映画館の椅子にへばりついていた。あれ程ミニシアター浸りだった僕が「これがアクション映画だ!」と大絶賛した傑作。アラン・リックマンがその後お気に入りの男優になる。前作を超えてド派手な映画になった第2作。それでも70年代のパニック映画「大空港」を思わせるところも好きだった。ジェレミー・アイアンズの知的な悪役と、マクティアナン監督の上手さに感激した第3作。時が流れて、スキンヘッド状態になったマクレーン刑事が、パソコンヲタクと大活躍する4作目。テイストは変わったが、マクレーンが語る英雄像にちょっと感涙。・・・1作目から20年以上経ってるのか。

しばらく会っていない息子がロシアでトラブルを起こして裁判にかけられる、と聞いて休暇をとったジョン・マクレーン刑事。ところが裁判所に行けば爆破事件、息子は被告人を連れて脱出、迫る追っ手・・・ジョンは息子を助けようと大追跡。大渋滞の道路で大量の車をブチ壊すカーチェイスがド派手に展開される。・・・すげぇ。問答無用な荒っぽさ。息子は実はCIAのスパイ。武器商人と通じているらしい大物政治家の裏を暴くデータを持っているというコマロフを保護しようというミッションの最中だった。マクレーンはそれを邪魔する結果となったのだ。ところが次々に現れる追っ手たち、コマロフの娘イリーナの裏切り・・・と話をひっくり返すような展開が相次ぎ、あれよあれよという間に親子は窮地に立たされる。そこは出たとこ勝負のマクレーン刑事。用意周到なミッションを心がけていた息子とともに大立ち回りを演ずることに。そして事件の真相に迫るべく、二人はチェルノブイリに向かう・・・。

父と息子の物語は好きなだけに、きっとそれなりに気の利いた台詞もあったのだろうけど、爆破、破壊、高所からのダイブ、銃撃・・・の展開で気付くと頭に残っていない。カーチェイスというかカーアクションシーンはたっぷり時間をかけて撮ったのだろう。トラブルに巻き込まれる運の悪いマクレーン刑事・・・というのがこのシリーズの導入なのだが、こりゃ周囲に居合わせたロシアの人の方が運が悪い・・・と言えるかも。それぞれの場面に見どころはあるのだけれど、どうも何かが足りない。それは役者でもなければ、演出でもない。脚本じゃないだろうか。どんでん返しの連続になる面白さはよしとしても、腑に落ちない展開が多い。何故息子と疎遠だったのか説明不足に感じるし、入念に準備を重ねるタイプの息子と出たとこ勝負の父親という対比が今ひとつ生かされないのがもったいない。何よりも不満なのはチェルノブイリの扱い方だ。日本の原発事故が念頭にあった上で、チェルノブイリをクライマックスの舞台に選んだのであろうが、放射能に関する描写が甘いにも程がある。いや、このご時世だからこそなおさらだ。ガイガーカウンターらしき計器が振り切りそうな数値を示す中、ガスらしきものをまき散らしたらあっという間にレベルが低下してマスクが外せるほどに。えー!?イスカンダル製じゃねぇのか?と言いたくなる効果。それ、日本に今すぐ持って来い!。それにチェルノブイリはウクライナにあるのだが、二人は無事に国境を越えられたということなんだね?。ソビエト領だった時代と勘違いしてない?。

そんな悶々とした気持ちを吹っ飛ばしてくれるのは、エンドクレジットで流れるローリングストーンズ!。アナログ人間の象徴のようなマクレーン刑事を表現するのに、前作「4.0」もCCRを流していたっけ。



コメント (2)
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