4人の男子中学生が、直面する生と死、性、友情。ウェルナー症候群や極端な家庭の経済状況の差など、特殊な登場人物の設定もあるけれど、それでいて共感できないことはない。それは4人の14歳少年の生々しい”今”があるから。映画や文学で描かれる中学生の世界って、ここ最近暗くて陰湿なものが目立った。多少のデフォルメがあるにせよ、確かにそれも現実だと思う。かつて岩井俊二監督の「リリィ・シュシュのすべて」を見て、”わかるけど、でもこんなことばっかりじゃないだろ?”と怒りに近い不満を抱えて映画館を出たっけ。「4TEEN」で描かれる4人の少年は、そんな僕のこれまで抱えてきたもやもやしたものを吹き飛ばしてくれた。これこそ中学生男子。アラフォーともはや呼びにくくなってきた僕でも、なんか共感できちゃうんだよね。ここまで性に執着してたっけ?とわが身を振り返りつつも(苦笑)。
文章のすき間からマウンテンバイクに乗って飛び出してきそうな4人の生き生きした様子。数日間夢中になって読んでいた。大人目線だとバカな行動と思えることも、その年頃だからこそ。8つのエピソードはどれもティーンの輝きが素敵だけど、人生について考える「大華火の夜に」、大人と子供の境界線だからこそ成立する「十四歳の情事」、拒食症と恋物語のコラボ「月の草」、最後を飾る「十五歳への旅」が特に好きだ。
そして、読み終わった後、ふと自分を顧みてしまう。
こんなに一緒に冒険ができる友達がいただろか?
こんなに腹を割って話せる程に自分は友情を深めてきただろか?
爽やかな読後感です。
文章のすき間からマウンテンバイクに乗って飛び出してきそうな4人の生き生きした様子。数日間夢中になって読んでいた。大人目線だとバカな行動と思えることも、その年頃だからこそ。8つのエピソードはどれもティーンの輝きが素敵だけど、人生について考える「大華火の夜に」、大人と子供の境界線だからこそ成立する「十四歳の情事」、拒食症と恋物語のコラボ「月の草」、最後を飾る「十五歳への旅」が特に好きだ。
そして、読み終わった後、ふと自分を顧みてしまう。
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