左手に蓮華を持つ「聖(しょう)観音」。いわゆる「観音さま」だ。観音には、十一面観音とか千手観音とか異形・人間離れのかたちの像があるが、この聖観音はその基本的な人間に近い姿で、蕾の蓮華を持つシンプルなもの。一般的には、右手で蕾の蓮華を開花させるしぐさが表現されていて、蕾にある煩悩を救い、開花させる意味があると言う。この石仏は、右手に錫杖(しゃくじょう)を持っているのが珍しい。地蔵菩薩を併せているのかもしれない。人々の善な心を促す杖ということなのか。
頭部に阿弥陀如来の小仏・化仏を配しているのが普通だが、形が大きいので十一面のつもりかも。
江戸時代以降は、女性に人気のある観音様だ。どこか子どもっぽく、かわいい。(浜松市細江町)
頭部に阿弥陀如来の小仏・化仏を配しているのが普通だが、形が大きいので十一面のつもりかも。
江戸時代以降は、女性に人気のある観音様だ。どこか子どもっぽく、かわいい。(浜松市細江町)