「産経新聞」の年頭所感では、財界人の言葉「平成は<敗北>の時代だったな」という言葉を紹介する。その原因については ①戦後復興の慢心 ②政治の混迷 ③中国独裁体制支援の失策、を論説委員長はあげている。トランプ政権になって良かったと明言する委員長は、「日米安保さえあれば大丈夫だ、という思考停止の時代はまもなく終わりを告げる。この国自らが厳しい選択をその都度迫られる新しき時代こそ、日本人は戦後の呪縛から解き放たれる、とまとめる。この意見には同意できる。
1面の「科学力 日本人が足りない」とする日本の針路をめぐる特集は、日本の研究現場に日本人学生の応募が少なくなり、今では留学生なしにはやっていけないという。それに対し、中国・ロシア・アメリカなどの科学軍事予算の拡張はめざましく日本の委縮と後退が際立つ、という。むかしの産経新聞は権力寄りでヒステリックな言説が目立っていたがこのところリアリティーを重視する編集になってきたのを感じる。
「読売新聞」は、洋上の風力発電は原発1基分の能力があるとして、東電の計画を紹介している。原発のリスクが大きいと判断したためだ。東電もやっと腰をあげたようだが実用化にめどがついてきたと言う。収益や利益率から自然エネルギーに移行するという考え方が気に入らないがね。
「社説」は産経と同じくかなりヒステリックな言説がなくなってきたのが特徴だ。しかし、「自衛隊は、米軍との連携を強化し、装備と能力の高度化を進めるべきだ」と従来通りの対米忖度の姿勢は変わっていない。