気候変動に翻弄されている今の人類にもかかわらず、太古の苦節を経てきたイチョウは今年も子孫を振りまいた。ギンナンの雨は、いつも利用する道路をギンナンが占拠している。しかし、誰も獲りに来ないようで辺りに臭いもまき散らしている。もっと、採集する暮しもしていれば石油値上がりに四苦八苦しなくて、銭に追われることは少ないんだけれど。
道路をよく見ると車に潰されたギンナンが散在している。これはまずいと縄文人のオイラがギンナン拾いを始める。まずは車の轍になりそうなところのギンナンを急いで収穫する。そうすれば、せっかく振りまいた果実がつぶれることなく、同時にわが家の家計を助ける。脱炭素のためには今までの暮らし方の質を下げることなのだが、一度便利さを覚えてしまうと今までのスタイルを下げることはできなくなる。だから、原発も止められない。
いそいそとギンナンを取り始めていると、このバケツの3倍くらいの量の果実は収穫できたと思う。まだ、樹の脇に落ちているギンナンはあるにはあるけれど車の被害にはこうむらない所にある。だからそれには手を付けないで残りのギンナンをバケツに手早く入れる。最初は火ばさみで採っていたけれどだんだんめんどくさくなって鷲掴みするようになるほどの量だった。
収穫した一部をまずは取り出して、水洗いをしゴミを取ってから果肉を強くもみもみすると白い種子が現れてくる。この果肉のくさいニオイは「酪酸」などの成分だという。 以前、捕鯨船にシーシェパードが異臭を放つ瓶を投げつけたのはこの酪酸の入ったものだそうだ。
タヌキの糞の中からよくギンナンを発見したことがあった。タヌキだけは果肉ごと食べてしまうが、多くの動物はその臭いで近寄らなくなってしまう。逆に恐竜は好物だったという話もある。
ということで、栄養抜群のスタミナ食でもあるギンナンを朝食にいただいている。食べ過ぎは厳禁なので10粒以上は食べないようにしている。自然はありがたい。街路樹のギンナンが臭いなんて言う前に落ちたギンナンを真っ先に拾いまくることだ。
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