今年の「オールドカーin春野」はコロナの影響で中止となった。車の珍しいエンブレムはこういうときでないと出会うことはかなり難しい。昨年出会ったイギリス車「モーリス」のエンブレムの由来が面白い。
創業者のウィリアム・モーリスの出身地は、テムズ川がかかわるオックスフォード地区だった。この辺には浅瀬があり牛の渡し場があったことで、「オックスフォード」と呼ばれる。エンブレムの中の青い三本はその川でそこを赤い牡牛が渡るという紋章のようだ。
同じデザインでもカラーでないのもあった。1900年代には、イギリスの自動車の4割以上をこの地域で生産していたという。1970年代では2万人が雇用され、移民労働者があふれてもいた。いっぽう、オックスフォード大学があることでも有名だ。
三台目の車のフロントには、技術者でありラリードライバーでもあるジョン・クーパーの名前が登場していた。いよいよ、「MINI」の小型車の時代がやってきた合図とも言える。1964年のモンテカルロのラリーで「ミニクーパーS」が初優勝したことで世界を驚愕させた。最近、街中で「MINI」に出会うことが少なくない。しかし現在はドイツのBMWの傘下にくだっている。そんな歴史の一端を担ったMORRISの栄光を知らせる車だった。