田舎生活実践屋

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胃腸薬のミヤリサン 受験生時代の思い出(2021/2/5)

2021-02-05 10:16:58 | 笑える話
ヤーコンやら、菊芋の効能を説明しているらしい「コロナに殺されないたった一つの方法 酪酸菌がすべて解決する」(小柳津広志 著 腸内細菌学 東大名誉教授)を購入して、パラパラと読んでいると、ハッと気が付く。
 腸内環境を良くする善玉菌はまず、ビフィズス菌で、これは生まれたばかりの乳児が、母乳に含まれるオリゴ糖で腸内に最初に育つ善玉菌。これは年齢が進むとともに減っていって、60歳を超すとほとんど無くなる。生後半年たって、離乳食を始めると、食物繊維を餌に酪酸菌が発生、腸内環境をよくする善玉菌のエースになる云々。
 へー、そうなんだと、認識を新たにして、その先を読むと、酪酸菌=宮入菌とあるではないか。
 
 我が家で常備している胃腸薬は、結婚した当時から「ミヤリサン」という錠剤で、宮入博士というかたが、随分前に発見した胃腸薬で、腸内の善玉菌(宮入菌)を服用する胃腸薬と説明書きに書いてあったはず。あわてて薬箱からミヤリサンを取り出してラベルを読んでみると、確かに酪酸菌(宮入菌)と表示してある。(冒頭)

 私が小学生の頃、60年前は、まだ各家庭には冷蔵庫が無いころで、大人も子供も、食あたりに悩まされる事が多かった。下痢・腹痛にウンウンと寝込んでしまう。捨てるのがもったいないと、前日のカレーやら、米の飯が多分大丈夫と食ったが、大丈夫でないことが年に数回。そのため各家庭に胃腸薬常備。
 私の祖父母の家には、正露丸が定番。
 私が高校生の頃には、気が付くと、このミヤリサンが定番に。
生きた腸内の善玉菌で、それなら副作用も無かろうと、父母が選んだものと推測。

 ミヤリサンには笑える思い出がある。ちょうど大学受験生で、東京の大学を第一志望にして、猛勉強のあと、いざ出発。夜行列車で東京まで、受験の前日に宿に着き、試験会場の下見も。宿は、修学旅行客が多いと思われる和式の旅館で、畳の大部屋に5、6人の相部屋。福島とか、長野から来たという私と同じような田舎者の大学受験生たち。明日の試験に備えて、よく寝ておこうと、床について、寝入っていると、枕元の電気がついて、誰かが私を起こす。眠いのに何じゃと目を開けると、信州から来たと話していた私と同じ年くらいの大人しそうな男が、はにかみながら、眠れないと。なんで俺を起こすのじゃと喧嘩になるところだろうが、当時は、純粋な田舎の少年で、私がもっている唯一の薬のミヤリサンを取り出して、これは胃腸薬だが、腸にある細菌を使ったもので、副作用は無い、睡眠薬でないので、かえつてこちらの方が体調もよくして、よく眠れるだろうなど、半分口から出まかせを言って渡したのでした。くだんの少年も素直な男と見えて、喜んで飲んで自分の布団に引き上げ、私も熟睡、翌日の試験もいいコンディションで臨めたことでした。当時は、うまくごまかせた、嘘も方便、イワシの頭も信心からというのは、こういう事かもと、ボンヤリ思ったり。

 今日読んだ、「コロナに殺されない・・」の詳しい細菌学の本を読むと、酪酸菌(宮入菌)には、ぐっすり眠れて目覚めがいい、という効果があると出ており、緊張で眠れない信州からの受験生の男に渡した胃腸薬は、渡した私は、私を起こした邪魔者を機嫌よく追い払ったつもりが、的を得た処方だったのかもと、まぐれ当たりを、50年たった今になって喜んだり笑えると面白がった次第。

 この信州の男とは、その後交信はないが、頭の良さそうないい感じの方で、元気にされているなら、ビールでもご一緒したいもの。
コメント
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