先日、テレビのクイズ番組。
各県の偉人ベスト5を当てたり、選ばれた偉人にまつわるエピソードがクイズに。
回答者は、カズレーサーのような、クイズのスペシャリスト。
私の郷里の愛媛の偉人のNO.1は正岡子規、 続いて日露戦争で活躍した秋山兄弟の名前も。
北海度は、偉人NO.1はクラーク博士。
偉人の選出は、各県民合計15000?人のアンケート。
素朴な感じの北海道の小学生にマイクが向かうと、「クラーク博士が一番の偉人。少年よ大志を抱け、この老人のように」と。
早口で、最後の老人のようには、辛うじて聞き取れた。
驚いて、横で見ていた次男に、あの子は、最後、この老人のように、と言ったなと聞くと、言ったと返事。
私のような75歳、団塊の世代は、少年よ大志を抱け、の有名なセリフはよく知っている。
立身出世、末は博士か大臣目指せといった意味だろう程度の理解。
私が学生時代、3年間暮らした、同志会での一コマを、この北海道の小学生のコメントで思い出していた。
同志会は、明治の終わりに、坂井徳太郎という25歳の青年が、アメリカのハーバード大学で過ごした学生寮に感銘、日本の大学生にもこうした寮生活を経験させたいと、寄付をつのってスタートさせた、キリスト教系の学生寮。
定員は18名と小人数、キリスト教の宗派問わず、カトリック・プロテスタント・無教会(内村鑑三に始まる)と雑多。
教会や行政のバックアップはなく、卒業生が寄付したり、ボランティアで世話役を買って出たりで、120年たった今も、東京の文京区は西片町で続いている。
学生の完全自治でもある。
そこの行事に、金曜会という会合があった。
毎週金曜日の晩、寮生と、同志会を世話してくれている、理事長(当時は、薬学者の石館守三氏)、牧師さんお二人(聖公会の高瀬恒徳主教、プロテスタントの小西芳之助牧師)が必ずお見えになり、まず夕食をいっしょに取り、次にチャペルで祈祷と、そのあと、感話会(ショートスピーチ)で学生が近況やら経験談を話し、最後に3人の先生がコメント。(冒頭3先生の写真、1973年発行の同志会70年史より)
もう55年前になるが、石館守三先生が、知り合いの方がクラーク博士のことを調べていて、有名な、ボーイズ ビー アンビシャスの次に、まだ言葉があったと。それが、ライク ディス オールドマン。それを聞いた小西牧師(学生時代、同志会に暮らし、日曜日は内村鑑三の聖書講義を聞き、サラリーマンを経て、牧師に)が思わず手を打ち、それで、前の言葉が生きてくる、なるほどと、感銘した姿が今も鮮明。
意味は本当には分かっていなかったが、多分、大事な言葉(ライク ディス オールドマン)なんだろう、どうも、立身出世、末は博士か大臣とは違うと、ボンヤリ思ったのが昨日のよう。
その後、同志会の先輩や内村鑑三の弟子、そのまた弟子の方を訪ねたりして、ライク ディス オールドマンの肉付けをしてきて、どうせなら、実践をと暮らしてきたのが、今までの75歳の人生だったように思われる。
31年働いた会社を55歳でリストラで退いたのが、ライク ディス オールドマンの意味を知るいい契機にも。
テレビで、「少年よ大志を抱け、この老人のように」、と小学生がスラスラと言うのに、驚いて、北海道では、今は、学校や家庭での会話でこのように正確に伝えていると知った次第。
ネットで見ると、ウィキペディアでも、ライク ディス オールドマンと結句していると知ったことでした。
焼酎でほろ酔い気分が吹き飛んだひと時でした。