一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

笹本稜平『未踏峰』(祥伝社) ……登った者の胸の裡だけに刻まれるもの……

2009年11月19日 | 読書
ハンデを背負った3人の若者、 コンピューターのシステムエンジニアだったが、過労に耐えるために薬物依存となり、万引で捕まり、どん底で喘いでいた橘裕也、 小学校の高学年くらいの精神年齢しかない知的障害者の勝田慎二、 アスペルガー症候群という心の障害をもつ戸村サヤカ。 どこに勤めてもうまくいかない3人を、北八ヶ岳の山小屋「ビンティ・ヒュッテ」の主人・蒔本康平が雇い入れる。 パウロの愛称で親しまれてい . . . 本文を読む