
昨日(3月9日)、配偶者と車で買物に行ったときのこと、
車の中で聴いていたFM放送から音楽が流れてきた。
「もう卒業式シーズンだね」
と配偶者が言った。
ぼんやりしていた私は、流れている曲が、
レミオロメンの「3月9日」であることに気がついた。
そして、今日が「3月9日」であることも。

レミオロメンの「3月9日」は、
昔よく観ていたTVドラマ『1リットルの涙』(フジ系)の劇中歌だったので、

耳に馴染みがあった。
以来、卒業ソングとして定番化しているのも知っている。
小学校、中学校、高校、大学と、
卒業式は何度も経験したが、卒業式の度に思うことがあった。
教室でワイワイ騒いでいるクラスメイトを見て、
〈明日からもう会えなくなるというのに、なぜこんなに騒いでいるのだろう……〉
と。
私の中学時代は、中学卒業後に就職する人も多く、高校もそれぞれ違ったので、
中学校の卒業式以来会っていないクラスメイトは多い。
高校、大学の場合はなおのこと、
(余程親しかった人以外とは)卒業式以来まったく会っていない。
私のように同窓会に行かない者にとっては、卒業式が、
皆と(もう二度と会うことのない)「さよなら」の日であった。
卒業式までは毎日会っていた人と、
卒業式翌日からはまったく会うことがないという不思議。

卒業式に限らず、人生においては、別れはいつも突然だ。
明日からもう会えなくなるなんて誰も考えていないのだ。

毎日会っていた恋人同士も、別れ話が決まると、もう翌日から会うことはない。
災害や事故で、突然会えなくなることもある。
今朝送り出した人と、もう会えないということもある。
明日、3月11日は、(14年前に)東日本大震災が起こった日だ。
多くの人が命を落とし、多くの人が家族、友人を失った。

記憶に新しい「新型コロナウイルス」でも多くの人が亡くなったが、

家族にさえ「さよならも言わないままで」逝ってしまった人も多い。

死は突然にやってくる。
そう自分にも……
そのときに、
〈夫(妻)にありがとうを言っておけばよかった……〉
〈子どもとけんかして仲直りできていない……〉
などと心残りがあったとしたら、幸せな死に方とは言えないだろう。
いつ、いかなるときに死が訪れても大丈夫なように、
一瞬一瞬を大切に、(その場その場で)礼を言うべきときには礼を言い、
毎日を“一期一会”の気持ちで丁寧に生きなくてはならないと思った。