一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

ひがしよか納涼ふれあい寄席「桂二葉独演会」 ……上方落語のプリンセス……

2024年07月28日 | 特別企画「逢いたい人に逢いに行く」


「逢いたい人に逢いに行く」という特別企画の第41回目は、
女性落語家の桂二葉。


ひがしよか納涼ふれあい寄席は、今年でちょうど10回目。
昨年の第9回は、女性落語家の蝶花楼桃花で、
「蝶花楼桃花 独演会」 ……女流落語の歴史を変える“寄席のプリンセス”……
とのタイトルでレビューを書いたのだが、(コチラを参照)
レビューを書くために女性落語家について調べているときに、
上方の女性落語家・桂二葉も検索でヒットし、
そのときに桂二葉の名も記憶された。


【桂二葉】
1986年大阪市生まれ。大学卒業後の2011年3月9日、桂米二に入門。同年9月6日に初舞台。ふるき良き大阪ことばが息づく古典落語を守り演じながらも、新しい世界を予感させる高座に定評がある。入門以来、「女性が古典落語を演じることは難しい」と言われてきた定説を覆そうともがき、令和3年度 NHK 新人落語大賞で「天狗刺し」を披露し、女性初の大賞を受賞。一躍、最もチケットの取れない若手落語家として脚光を浴びる。メディア出演として2021年、KBS京都ラジオ「ま〜ぶる桂二葉と梶原誠のご陽気に」スタート。現在は活躍の舞台をTVにも広げており、23年、フジテレビ昼の情報番組「ぽかぽか」水曜レギュラーに抜擢。同年4月、関西の大人気番組、ABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」に、女性落語家としては初めての探偵として加入した。約三百年続く古典芸能である落語の世界に変革をもたらす存在として注目を集めている。



昨年(2023年)1月より務めている「ぽかぽか」の水曜レギュラーに加え、
今年(2024年)の5月より(私の好きな)「探偵!ナイトスクープ」に、
新探偵として加入したこともあって、
桂二葉を見る機会が増え、私の関心が高まったところへ、
今年(第10回)のひがしよか納涼ふれあい寄席が桂二葉に決まったとの知らせが届いた。
蝶花楼桃花が江戸落語のプリンセスだとすれば、
桂二葉は上方落語のプリンセスだ。


ひがしよか納涼ふれあい寄席は、これまでは江戸落語ばかりだったが、
10回目にして初めての上方落語で、しかも人気絶頂の桂二葉ということで、
(私が)すぐにチケットを購入したのは言うまでもない。(ほどなく、チケットは完売したとの知らせも届いた)
そして「桂二葉独演会」の当日(2024年7月27日)を迎えた。


会場である東与賀文化ホールに到着。ここに来るのは3度目。




会場は504席のこぢんまりとしたホールで、
私の席は、五列目の左から4つ目の通路側の席で、
(チケットは完売しており、会場はこの後満席となる)


程よい近さで桂二葉を見ることができたし、落語を楽しむことができた。




まず、前座の桂九寿玉が元気一杯な落語「子ほめ」で座を温め、


桂二葉が登場。
ステージがパッと明るくなるほどのオーラがあった。


まず“まくら”で、佐賀との縁を語る。
佐賀に来るのは2度目とのことで、佐賀の海苔にまつわる話で笑わせた後、
7月27日に放送された「探偵!ナイトスクープ」のことに触れた。


「シーリングファンでスルメ作り」(探偵・桂二葉)
滋賀県の男性(25)から。1年前、当時彼女だった妻と私の実家に帰省した際、妻が天井についているシーリングファンを見て「この回転でイカをスルメに出来るのではないか?」と言い出した。その時は聞き流したが、実家に帰るたびに「スルメが出来る!絶対できる!」と言い続けている。どうやら本気のようだが、イカに関しては素人でどうすればよいのか分からない。妻のささやかな夢を叶えてやって欲しい、というもの。依頼者の母は「スルメを作らせて欲しい」という息子の嫁の無茶なお願いを、渋々了承。早速、ケンサキイカを大量に購入し下処理を完了する。開いたイカを紐でファン取り付け、いよいよシーリングファンを回してみると、そこには何とも美しい光景が広がるのだった。さらに、スルメ作りに詳しいYouTuberが助っ人として参戦。果たして、念願のスルメは出来上がるのか?!そして高級なシーリングファンはどうなった!?

(この番組はTVerで8月3日まで無料で観ることができる)(コチラから)


このとき、助っ人として呼ばれたのが、佐賀在住のYouTuber「釣りよかでしょう」のメンバー二人で、このとき「もうすぐ佐賀でも独演会をやるんですよ」と言ったら、「必ず行きます」と言っていたのに、「今日は来ていないみたいですね~」と言って観客を笑わせた。

桂二葉は、

「青菜」
「がまの油」

……仲入……
「子は鎹(かすがい)」


の三席を披露。
「青菜」「がまの油」で爆笑を、
「子は鎹」で笑わせながらもしんみり涙を誘い、
その演じ分けが見事であった。
「ぽかぽか」や「探偵!ナイトスクープ」で見る限り、
ちょっと内気で控え目な性格に見えたのだが、
落語を話しているときは別人のようで、
登場人物が憑依したような話しぶりに驚かされた。
子供を演じているときは、若く見える二葉の本領発揮、面目躍如という感じなのだが、
驚かされたのは、母親のお花さんを演じているときの二葉。
色っぽくて美人さんでした。
子供っぽく見える桂二葉も、1986年8月2日生まれなので、もうすぐ38歳。
“女ざかり”なんですね~(コラコラ)





公演終了後に急遽行ったグッズ販売や、


サイン会も大盛況でした。




独演会が終了し、大拍手の中、二葉が舞台を去ろうとしたとき、
最前列にいた女の子がトコトコと舞台に近づき、二葉に何かを渡そうとした。
二葉は立ち止まり、それを受け取り、手を振りながら舞台袖に消えた。
帰宅してから桂二葉のXを見ると、
「佐賀独演会、完売御礼。ありがとうございました!最後、女の子が舞台の前まで来て、キリンくれました。ありがとうねぇ。」
と書いて、キリンの写真が添付してあった。


二葉さん、キリンが好きだったんだね~(帯に注目)


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