映画『パッチギ!』(2005年)で初めて沢尻エリカを見たときの衝撃……
そのことについては、このブログでも何度か書いているが、
あのような「美の衝撃」はそう何度も味わえるものではない。
あの出逢い以来、私にとって、沢尻エリカは常に気になる存在であった。
『パッチギ!』と同じ年(2005年)の初主演TVドラマ『1リットルの涙』(フジテレビ系)や、
その後の映画
『阿修羅城の瞳』(2005)
『SHINOBI -忍-』(2005年)
『シュガー&スパイス 風味絶佳』(2006年)
『天使の卵』(2006年)
など、彼女を目当てに見た作品は多い。
だが、2007年9月29日、
彼女が主演する映画『クローズド・ノート』の舞台挨拶で、
不機嫌そうな振舞いを行い、
世間・マスコミなどによりバッシングを浴びせられる。
それ以来、
映画、TVドラマ、TVCMなどでは彼女を見ることができなくなり、
たまにスキャンダルな話題でワイドショーなどで採り上げられるだけになってしまった。
そんな状態がここ数年続いていたので、寂しく思っていたところ、
最近になってようやくTVドラマやTVCMにも出るようになり、
主演映画『ヘルタースケルター』も公開(7月14日)が決まり、
隠れファン(別に隠れなくてもイイのだが……)としては、嬉しく思ったことであった。
公開直後にすぐに見に行くつもりであったが、
夏山遠征(7月22日~25日)の準備、
遠征から帰った後のブログ更新などで時間がとれず、
8月初旬になって、やっと映画館に行くことができた。
見る前は少し恐かった。
〈とんでもない駄作だったらどうしよう〉
という心配。
【YAHOO!映画】(←クリック)での評価も低かったので、
かなり覚悟して見に行った。
で、どうだったかというと……
これが、とんでもない傑作だったのだ。
安心するとともに、
〈やはり一般の評価はアテにならないな~〉
と思ったことであった。
原作は、第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞に輝いた岡崎京子の伝説的熱狂コミック『ヘルタースケルター』(雑誌『FEEL YOUNG』で連載)。
監督は、『さくらん』の蜷川実花(父親は、演出家・映画監督の蜷川幸雄)。
ヘルタースケルターとは、「しっちゃかめっちゃか」の意。
芸能界の頂点に君臨するトップスターりりこ(沢尻エリカ)。
雑誌もテレビも映画も……
日本中どこを見てもりりこ一色。
だが、りりこには誰にも言えない秘密があった。
それは、全身整形しているということ。
「目ん玉と爪と髪と耳とアソコ」以外は、全部つくりもの
だったのだ。
人気絶頂のりりこであったが、
やがて、整形手術の後遺症がりりこの躰を蝕み始める。
躰のいたるところに痣のようなものができ始めたのだ。
その痣を消すために、整形手術を繰り返す。
美容クリニック院長・和智久子(原田美枝子)の隠された犯罪。
それを追う検事・麻田誠(大森南朋)。
結婚を狙っていた御曹司・南部貴男(窪塚洋介)の別の女との婚約スクープ。
生まれたままの美しさでりりこを脅かす後輩モデル吉川こずえ(水原希子)の登場。
美の崩壊と、トップスターの座から転落する恐怖に追い詰められ、
りりこの人生は「しっちゃかめっちゃか」なものになっていく……
蜷川実花監督の極彩色の映像美、
それにクラシックを主体とした音楽、
ミュージックビデオのような編集で、
最初から最後までガンガン突っ走る。
〈こんな調子で最後まで大丈夫か?〉
と心配したが、
後半にやや冗長な部分があったものの、
ラストまでの2時間7分を、
実に鮮やかに疾走してみせた。
蜷川実花監督、畏るべし。
沢尻エリカの体当たりの演技も文句なし。
『パッチギ!』の時とは真逆の役柄であったが、
『パッチギ!』と同じくらい感動させられた。
女優としての覚悟を感じた。
りりこのマネージャー・羽田美知子役の寺島しのぶも凄かった。
整形と化粧で人工美のりりこに対し、
マネージャー・羽田美知子役の寺島しのぶはノーメイク。
その対比の妙。
ノーメイクの寺島しのぶも実に魅力的。
次第に人格が壊れていくという難しい役であったが、
見事に演じきっている。
その他、
りりこが所属するタレント事務所の社長・多田寛子役の桃井かおり、
りりこの恋人で御曹司・南部貴男役の窪塚洋介、
事件を追う検事・麻田誠役の大森南朋、
検察庁事務官・保須田久美役の鈴木杏、
りりこの後輩モデル・吉川こずえ役の水原希子、
美容クリニック院長・和智久子役の原田美枝子など、
個性派俳優陣の演技が素晴らしかった。
もし、沢尻エリカが年末まで問題を起こさず、
各映画賞の運営委員たちが偏見を捨て、
『ヘルタースケルター』をノミネートさせる勇気があるあならば、
主演女優賞(沢尻エリカ)
助演女優賞(寺島しのぶ)
監督賞(蜷川実花)
などで、この作品は年末の賞レースを賑わすことだろう。
それだけのものを秘めた傑作であると思う。
そのことについては、このブログでも何度か書いているが、
あのような「美の衝撃」はそう何度も味わえるものではない。
あの出逢い以来、私にとって、沢尻エリカは常に気になる存在であった。
『パッチギ!』と同じ年(2005年)の初主演TVドラマ『1リットルの涙』(フジテレビ系)や、
その後の映画
『阿修羅城の瞳』(2005)
『SHINOBI -忍-』(2005年)
『シュガー&スパイス 風味絶佳』(2006年)
『天使の卵』(2006年)
など、彼女を目当てに見た作品は多い。
だが、2007年9月29日、
彼女が主演する映画『クローズド・ノート』の舞台挨拶で、
不機嫌そうな振舞いを行い、
世間・マスコミなどによりバッシングを浴びせられる。
それ以来、
映画、TVドラマ、TVCMなどでは彼女を見ることができなくなり、
たまにスキャンダルな話題でワイドショーなどで採り上げられるだけになってしまった。
そんな状態がここ数年続いていたので、寂しく思っていたところ、
最近になってようやくTVドラマやTVCMにも出るようになり、
主演映画『ヘルタースケルター』も公開(7月14日)が決まり、
隠れファン(別に隠れなくてもイイのだが……)としては、嬉しく思ったことであった。
公開直後にすぐに見に行くつもりであったが、
夏山遠征(7月22日~25日)の準備、
遠征から帰った後のブログ更新などで時間がとれず、
8月初旬になって、やっと映画館に行くことができた。
見る前は少し恐かった。
〈とんでもない駄作だったらどうしよう〉
という心配。
【YAHOO!映画】(←クリック)での評価も低かったので、
かなり覚悟して見に行った。
で、どうだったかというと……
これが、とんでもない傑作だったのだ。
安心するとともに、
〈やはり一般の評価はアテにならないな~〉
と思ったことであった。
原作は、第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞に輝いた岡崎京子の伝説的熱狂コミック『ヘルタースケルター』(雑誌『FEEL YOUNG』で連載)。
監督は、『さくらん』の蜷川実花(父親は、演出家・映画監督の蜷川幸雄)。
ヘルタースケルターとは、「しっちゃかめっちゃか」の意。
芸能界の頂点に君臨するトップスターりりこ(沢尻エリカ)。
雑誌もテレビも映画も……
日本中どこを見てもりりこ一色。
だが、りりこには誰にも言えない秘密があった。
それは、全身整形しているということ。
「目ん玉と爪と髪と耳とアソコ」以外は、全部つくりもの
だったのだ。
人気絶頂のりりこであったが、
やがて、整形手術の後遺症がりりこの躰を蝕み始める。
躰のいたるところに痣のようなものができ始めたのだ。
その痣を消すために、整形手術を繰り返す。
美容クリニック院長・和智久子(原田美枝子)の隠された犯罪。
それを追う検事・麻田誠(大森南朋)。
結婚を狙っていた御曹司・南部貴男(窪塚洋介)の別の女との婚約スクープ。
生まれたままの美しさでりりこを脅かす後輩モデル吉川こずえ(水原希子)の登場。
美の崩壊と、トップスターの座から転落する恐怖に追い詰められ、
りりこの人生は「しっちゃかめっちゃか」なものになっていく……
蜷川実花監督の極彩色の映像美、
それにクラシックを主体とした音楽、
ミュージックビデオのような編集で、
最初から最後までガンガン突っ走る。
〈こんな調子で最後まで大丈夫か?〉
と心配したが、
後半にやや冗長な部分があったものの、
ラストまでの2時間7分を、
実に鮮やかに疾走してみせた。
蜷川実花監督、畏るべし。
沢尻エリカの体当たりの演技も文句なし。
『パッチギ!』の時とは真逆の役柄であったが、
『パッチギ!』と同じくらい感動させられた。
女優としての覚悟を感じた。
りりこのマネージャー・羽田美知子役の寺島しのぶも凄かった。
整形と化粧で人工美のりりこに対し、
マネージャー・羽田美知子役の寺島しのぶはノーメイク。
その対比の妙。
ノーメイクの寺島しのぶも実に魅力的。
次第に人格が壊れていくという難しい役であったが、
見事に演じきっている。
その他、
りりこが所属するタレント事務所の社長・多田寛子役の桃井かおり、
りりこの恋人で御曹司・南部貴男役の窪塚洋介、
事件を追う検事・麻田誠役の大森南朋、
検察庁事務官・保須田久美役の鈴木杏、
りりこの後輩モデル・吉川こずえ役の水原希子、
美容クリニック院長・和智久子役の原田美枝子など、
個性派俳優陣の演技が素晴らしかった。
もし、沢尻エリカが年末まで問題を起こさず、
各映画賞の運営委員たちが偏見を捨て、
『ヘルタースケルター』をノミネートさせる勇気があるあならば、
主演女優賞(沢尻エリカ)
助演女優賞(寺島しのぶ)
監督賞(蜷川実花)
などで、この作品は年末の賞レースを賑わすことだろう。
それだけのものを秘めた傑作であると思う。