一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』……前作を上回る面白さに平手友梨奈が……

2021年06月21日 | 映画


前作(結果としてシリーズ第1作となった)『ザ・ファブル』(2019年6月21日公開)は、
公開直後に鑑賞し、
……今すぐ映画館に駆けつけてもらいたい超面白作……
とのサブタイトルを付してレビューを書いた。(コチラを参照)
岡田准一の素晴らしいアクションと、
木村文乃と山本美月の美貌にクラクラし、
〈シリーズ化してもらいたい……〉
と切に願っていたのだが、
その願いが叶って、
約1年後の2020年夏にシリーズ化が発表された。
(そのときの仮タイトルは『ザ・ファブル 第二章』であった)


その際、出演者に平手友梨奈の名があったのを見て、
飛び上がって喜んだのを覚えている。
その後、タイトルが正式に『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』に決まり、
公開を楽しみにしていたのだが、
当初は今年(2021年)の2月5日の公開予定であったのに、


新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けて、
(番宣など盛んに行っていたにもかかわらず)公開直前に公開延期が発表され、
落胆した。
〈早く公開してくれ~〉
と、悶々とした日々を送っていたのだが、
ようやく6月18日に公開されることが決まり、
小躍りした私は、公開初日に映画館に駆けつけたのだった。



裏社会で誰もが恐れる伝説の殺し屋ファブル(岡田准一)。


1年間誰も殺さず普通に暮らすようボスから命じられた彼は、
素性を隠して佐藤アキラという偽名を使い、
相棒ヨウコ(木村文乃)と兄妹を装って一般人として暮らしている。


一見平和に見えるこの街では、
表向きはNPO団体「子供たちを危険から守る会」代表だが、
裏では緻密な計画で若者から金を巻き上げ殺害する危険な男・宇津帆(堤真一)が暗躍していた。


かつてファブルに弟を殺された宇津帆は、
凄腕の殺し屋・鈴木(安藤政信)らとともに、復讐を果たすべく動き出す。


一方アキラは、
過去にファブルが救えなかった車椅子の少女ヒナコ(平手友梨奈)と再会するが……




のっけから、激しいアクションの連発に、
「おお~~~」
と、思わず声が出る。
「ジャッキー・チェンか!」
と、言いたくなるほど、(映画の中でも実際ジャッキー・チェンの名が出てくる)
岡田准一の動きがキレッキレで、
前作を上回るアクション、
前作を上回る面白さに、
(心の中で)拍手喝采であった。


本作のアクションシーンは、
アクションのためのアクションではなく、
そこにストーリー性があり、
必要不可欠な要素としてアクションがあったように感じた。
多分、綿密に計画され、準備されたのであろう、
前作から築き、蓄積されてきたチームワークや技術や様々な経験を、
監督(江口カン)や各部門のスタッフたちと共に、
前作よりも進化したアクションに仕上げた苦労は、想像するに余りある。


岡田准一は、前作に続き「ファイトコレオグラファー」としてもクレジットされており、
自らがイメージし、創り出したアクションを、自らが演じていたことになる。
木村大作監督作品『散り椿』(2018年)でも、
「殺陣」「撮影」スタッフとしても名前が(連名で)クレジットされていたが、
ジークンドー、カリ、USA修斗など、
様々な武術や格闘技のインストラクターの資格を持っていることから、
今後の出演作にも、スタッフ欄に彼の名が刻まれることだろう。



岡田准一だけでなく、
今回は、ヨウコを演じた木村文乃のアクションも前回にも増して素晴らしく、
木村文乃ファンの私を大いに喜ばせてくれた。


アクション練習は撮影の3カ月前くらいから始めました。今回もファイトコレオグラファーをやられている岡田(准一)さんに武術を教えてもらいました。週2~3ぐらいで練習していましたね。とにかくクイックにコンパクトに相手の攻撃を交わしてカウンターで返す、“カリ”というフィリピンの武術を教えていただきました。(「リアルサウンド」インタビューより)

木村文乃はこう語っていたが、
彼女のアクションシーンにも岡田准一が関わっており、
ここでも彼の優れた才能を垣間見ることになった。



前作のヒロインとも言うべきミサキを演じた山本美月は、
今回はそのヒロインの座を平手友梨奈に譲り、
アキラ(岡田准一)のバイト先、デザイン会社「オクトパス」の社長役の佐藤二朗と共に、
アキラに安らぎや癒しを与える役に徹しており、


見る側にとっても、アクションシーンの多い本作で、
彼女が癒しになっていたし、
彼女の顔を見るだけで、ホンワカとした気分にさせられた。



シリーズ第2弾となる本作『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』を、先ほど、
「前作を上回る面白さ……」
と表現したが、それには、
岡田准一、木村文乃、山本美月、佐藤二朗などのレギュラー陣の貢献もさることながら、
(私個人的には)ヒナコを演じた平手友梨奈の存在が大きく作用していたように思った。


今回のレビューのサブタイトルを、スペースの関係で、
……前作を上回る面白さに平手友梨奈が……
としているが、本当は、
……前作を上回る面白さに平手友梨奈が大きく貢献していた……
としたかった。


本作『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は、
ヒナコの成長譚という側面もあり、


ヒナコの心の変化が物語にも大きく影響し、
前作にはない魅力となっていた。


平手友梨奈本人は、

熱いアプローチをいただいて、すごくありがたかったんですけど、なんでヒナコ役が私だったんだろうって、いまでも疑問に思っていて。私よりもすごい方がたくさんいらっしゃるので……(「リアルサウンド」インタビューより)

と謙遜していたが、
原作者である南勝久からも、
「ヒナコ役の平手友梨奈さんは僕の第一希望でした」
と言われるほどのハマリ役であったと思うし、
平手友梨奈あっての『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』だったように感じた。


宇津帆(堤真一)とのハードなシーンもあったが、(堤真一、平手友梨奈に何してんねん!)
最初は敵愾心を抱いていたアキラ(岡田准一)に、
次第に恋心みたいなものを抱くようになり、
アキラに会えるかもしれないという日には、
家を出る前にそっとリップを塗る姿がいじらしく、また切なかった。


こういう繊細な演技もできるようになった平手友梨奈に、
今後も期待するところ“大”である。



「鑑賞する映画は出演している女優で決める」主義の私としては、
木村文乃、山本美月、平手友梨奈がスクリーンで見られただけで大満足であったのだが、
それに加え、
ファブルを演じた岡田准一のアクション、


アキラ(岡田准一)のバイト先であるデザイン会社の社長を演じた佐藤二朗の可笑しみ、


宇津帆を演じた堤真一の非道さ、恐さ、


凄腕の殺し屋・鈴木を演じた安藤政信の非情になりきれない男の哀愁と格好良さなど、
男優陣にも大いに楽しませてもらった。



岡田准一の体が動くうちに、
シリーズ第3弾、第4弾、第5弾と、
1~2年に1作くらいの割合で続編を連発してくれたら嬉しい。
次作も大いに待している。

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