一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

『PEAKS』9月号と『ワンダーフォーゲル』8月号を私が買った理由

2020年08月20日 | その他


数年前から近場の山にしか登らなくなり、
遠くの山に行くことはほとんどなくなった。
それにはいくつか理由があって、
2017年末に「極私的回顧」を書いたときに、
私はこう記している。

昨年あたりから遠くの山へ行くことが少なくなり、
ホームマウンテンである天山や、
作礼山、八幡岳、鬼ノ鼻山など、家から近い山を主体とした山歩きに変わってきた。
これは、私が60歳を過ぎ、
人生の残り時間というものを意識するようになったということも影響していると思う。
私は、登山以外にも、したいことがたくさんある。
映画鑑賞、読書はもちろんのこと、
コンサートにも行きたいし、スポーツ観戦もしたい。
家族との時間も大切にしたい。
片道3時間も4時間もかけて遠くの山へ行くその時間(往復6~8時間)が、
モッタイナイと思えてきたのだ。
そんな時間があったら映画を何本も見ることができるし、
長編小説だって一冊読破できる。
時間をもっと有効利用したいと思っているからだ。
それに、
山岳会に所属していた時代を含め九州内の主だった山はほとんど登っているし、
もともと、「○○百名山」の類にはまったく興味がなく、
近場の山だけで十分に満足を得られるようになってきたことも大きい。


今は前期高齢者であるが、
やがて後期高齢者になり、車の運転ができなくなり、
足腰も弱って遠くへは行けなくなったとき、
私の“真の友”となるのは、わが家から歩いて行ける近場の山である。
その近場の山のことをどれだけ知っているかと自分に問うたとき、
自信を持って「知っている」とは言えなかったことも大きい。
近場の山に専念し、登山を続けているうちに、
「良かった」と思えることがいくつも出てきた。
そのひとつが、「誰よりもその山について詳しくなった」こと。
“秘密の散歩道”が増え、希少種の山野草をいくつも発見できた。
その希少種の山野草のことは様々な理由で(YAMAP族に知られないようにするため等)、
このブログには書かないことにしているのだが、
老後の楽しみが俄然増えた。(笑)
近場の山に変えたことで、“山の雑誌”や“ガイド本”を買わなくなり、
出費が抑えられるようになったことも大きなメリットだ。
近場の山については誰よりも知っているので、“ガイド本”はまったく必要でなくなった。
遠くのメジャーな山ばかり特集している“山の雑誌”も読まなくなった。
昨年の断捨離で数百冊の“山の雑誌”を処分し、部屋もすっきりした。
そんな私が、久しぶりに“山の雑誌”を2冊買った。
『PEAKS』9月号と、


『ワンダーフォーゲル』8月号。


何故か?
それは、私の好きな登山系YouTuberがレポを掲載していたからだ。
その一人は、
このブログで既に紹介したことのある、
「元OL登山日記byかほ」のかほさん。(コチラを参照)


『PEAKS』9月号に、
「ひとり立ちを目指して、八ヶ岳でプレソロテント泊 かほちゃん、ソロテント泊デビュー」
と題して、9頁に渡って特集されているのだ。


山岳ガイド・渡辺佐智さんの指導のもと、
「ソロテント泊の準備」「装備チェック」「女性ソロ山行で気を付けたいポイント」など、
ソロテント泊で大切なこと、重要なことを教えてもらい、
かほさん自身も体験談として文章を書いている。
やや文章が硬いが、初々しい文章で好感が持てる。


かほさんのYouTubeとも連動しているので、
立体的に楽しめるのも好い。



私の好きなもう一人の登山系YouTuberは、
「オトナ女子の山登り」のまゆみさん。(YouTubeはコチラから)


山下舞弓という名でモデルの仕事をしながら、
登山系YouTuberとしても活動している。
モデルだけあって、美人だし、(コラコラ)


スタイルも良く、


映像もおしゃれだ。


まゆみさんの場合は、
『ワンダーフォーゲル』8月号で、
「ソロテントでアルプスへ」という特集の巻頭で、


「表銀座 女ひとり旅 北アルプス/燕岳~大天井岳~西岳」というレポを掲載している。


しかも、表紙も彼女の写真だ。


このように、
登山系YouTuberと“山の雑誌”がコラボするのは、
双方にメリットがあるからだろう。
“山の雑誌”の方は、
人気YouTuberの視聴者が雑誌を買ってくれるし、(私もその一人)
YouTuberの方は、
“山の雑誌”の読者に知ってもらえることで登録者数増につながる。


読者、視聴者も、
雑誌とYouTubeの両方を楽しめるし、
すべてにメリットがあるこのようなコラボは、
今後、益々増えていくのではないか……
そんな予感を抱かせる今回の雑誌企画であった。
それにしても、どちらのコラボ企画も「ソロテント泊」というのが、
いかにも“コロナの時代”を象徴している気がする。


NHKの「にっぽん百名山」のようなワンパターンの古臭い映像は見飽きたし、
無料で観ることのできる優れた登山系YouTuberは今後もっと注目されていくだろう。
もう楽しみしかない。
登山系YouTuber「JIN」さんの映像↓

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