ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

流(東山彰良)

2022年03月13日 | 国内ミステリー

直木賞受賞作で、おすすめミステリー10というのをネットで
見つけた。

私が読んだ中には、佐々木譲の「廃墟に乞う」や、宮部みゆきの
「理由」、藤原伊織の「テロリストのパラソル」など、面白い
ものが入っていた。

そこで、その中の他の作品も読んでみようと思った。最初は、
NO.1にランクされている「流」だ。

もう一つは、台湾のことが書かれているとのことで、興味を引いた。

読んでみて、著者の東山氏も、実は台湾人であることがわかった。

そうでなければ、このような作品を書くのは難しいだろう。

この作品は、ミステリーというジャンルに入れられるか疑問だ。
しかし、ミステリーの要素もあるのは間違いない。

戦後、台湾に渡った祖父が、殺され、その最初の発見者である孫の
青年が、殺人犯を探すのだが、単純な追跡劇ではない。

無軌道な青年の人生、恋愛などが描かれている青春小説とも言える。

ハッピーエンドでなく、悲惨な終わり方でもなく、謎が解決した
スッキリ感もない、不可思議な終わり方が印象に残る。

過去、読んだことのない読後感である。これが、人間であり、
人生なのかも知れないという諦め感のような空気を感じた。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« BE CAREFUL WHAT YOU WISH FO... | トップ | 心淋し川(西条奈加) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国内ミステリー」カテゴリの最新記事