先般読んだ「だましゑ歌麿」の続編である。
しかし、前作が600ページ以上の長編なのに
対して、12の短編からなる。全12作品を合わせても
ページ数だと半分でしかない。
どちらもそれぞれの持ち味がある。前作が重厚な長編
なのに対して、今回は、おそらく前作の登場人物や
ストーリーの面白さから続編を読みたくなった読者に
キレの良い短編を提供してくれている。
どれも飽きさせない見事な短編集である。また、与力
に出世した仙波の登場はポイントだけで、妻となった
おこうの推理と味のある仙波の父の左門が中心になって
次々と事件が解決していくのだ。
新しい登場人物も面白い。特に、熊娘という作品で
でてきた大女のお由里はなかなかのものである。
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