ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

宮部みゆき(東京下町殺人暮色)

2007年10月13日 | 国内ミステリー
宮部みゆきの作品としては、2作目の『東京下町殺人暮色』を読了した。

『魔術はささやく』で、第2回推理サスペンス大賞を得た
受賞後第一作の書き下ろし長編とのことである。

この2作を通じて、感じたのは、宮部みゆきは、大人の世界と子供の
世界を書き分けることができる作家であるということである。

そして、それが、不自然に感じないのが不思議である。


②東京下町殺人暮色

主人公は、『魔女はささやく』と同じく、少年である。

主人公の順は、13歳の中学1年であるから、やや、少年ぽい。当然だが。
その分、言葉や、考え方も少し、子供っぽい。
昔の少年探偵団を思い起こさせるやりとりもある。

しかし、事件は、凶悪かつ残酷な殺人事件である。
とても、中学1年が、捜査に関与して良いのかしらと思う事件である。
一方、中学一年だからできる捜査というのもあるのだ。

近くに住む一人の画家が人殺しだといううわさから、始まり、
事件の謎が、この順を中心に、順の父親で刑事の道雄と一緒に、解かれて
いくのだ。
いやいや、忘れてはいけない。家政婦のはなさんのことを、最後に謎を解き
明かしたのだから。

意外性と意表をつかれる作品だった。

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