葉室麟の「秋霜」を読んだ。
羽根藩が舞台の「蜩の記」から、羽根藩シリーズが
「潮鳴り」「春雷」と続き、この「秋霜」は、4作目だから、
二つ、飛ばしてしまったことになる。
といっても、おそらく、単独で読んでも、十分、読み応えの
ある作品と言えると思う。
欅屋敷という館は、何となく、記憶があったが、そこで、
暮らす孤児たちと前家老、多門隼人の元妻、楓及び、
大阪からやってきた謎の男、小平太の物語だ。
葉室麟の特徴は、子供たちの描写が、とても、うまくて、
感動をさそうのだが、今回も、たくさんの子供たちが出てくる。
また、重厚な人間ドラマであるのだが、ちゃんと、時代劇の
お約束ともいえる、剣劇も出てくるのだから、
文句のつけようもない。
小平太は、何と、帯刀せず、木刀を替わりにもっているのだ。
竹光であれば、まったく、見た目だけだが、木刀となると違う。
頭に振り下ろせば、十分、致死力もあるのだ。
しかし、刀と競り合えば、その重さと、刃によって、軽い木刀など、
吹き飛ばされるか、切り落とされてしまう可能性もある。
しかし、小平太の木刀は、おどろくことに.....
ここは、少し、ネタばらしにならないようにしておこう。
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