阿刀田高に凝っていると書いたが、日本推理作家協会理事長だった
にも関わらず、エッセイばかりで、推理小説は読んだことがなかった。
きっと、推理小説も、良いに違いないと思い、探したのだが、ありそうでない。
やっと見つけて読んだのがこの作品だが、最後のあとがきで、阿刀田氏の長い
作家キャリアで、ただ一作の、連作形式の本格推理短編集だと聞いて、
おどろいた。
とてもユニークな8作の短編推理小説だった。
若い刑事が、迷宮入りしそうな難事件になると、妙法寺というお寺の和尚の
所に囲碁をうちにいく。その囲碁の中で、難事件の概要を説明をすると、
その場で、すぐに解決するのではなく、調査の宿題を提示するのだ。
その調査項目は、まったく、不可解なものばかりだ。たとえば、最初の事件では、
被害者の女性のブラジャーサイズがAサイズかどうかとか、3人の女性の中で、
誰が一番チャーミングかとかだ。
しかし、それを調べてきて、再度、囲碁を打つ中で、和尚は見事な謎解きを
するのだ。シャーロックホームズばりに...
シャーロックホームズを意識したのではないかと思える作品群だった。それなり
に楽しめたのだが、囲碁用語が出てくるので、学生時代に少し、かじってた
のが役立った。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます