1950年に刊行された希代のクライマー、松濤明氏の
山岳紀行集だ。
私が、読んだのは、2000年に刊行された5番目のものだ。
槍ヶ岳北鎌尾根で遭難死する直前、テントの中で書いた
「全身凍って力なし」という詩的な遺書で有名だ。
紀行集は、非常に細かく、詳細が記載されており、最初と
最後の方を除いて、飛ばし読みになってしまった。
ただ、感じたのは、16歳から遭難死するまでの26歳までの
記録なのだが、非常に文章は、しっかりしており、また、
美しい文章なのだ。もう、70年以上前のものだが、古さも
あまり感じない。
「星と嵐」のように岩山ばかりではなく、また、縦走や
雪山など、オールランドなクライマーだったと感じる。
単独行も多いのは、「孤高の人」と同じだが、一緒に登る
こともあった。
後に遺書の手帳の写真が載っているのに、ちょっと、衝撃を
受けた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます