めざせ中医学的健康生活

日本人中医師による美容と健康に役立つ情報。「未病を防ぐ」をモットーに心と体の健康を保ち、毎日楽しく暮らせますように♪

桑の実み~つけた!

2010-05-29 | 薬膳&食療(果物)
先日川沿いの道を歩く機会がありました。

ミニーさんを連れてなのでゆっくりペースな上に止まることも多く、日差しの強い中気分はどんより。

ふと足下を見ると、何やら黒い小さなコロコロした物体が。

ん?

と思って屈んで見てみると、何やら木の実の様な物でした。

辺りを見回すと草が生い茂った河原に大きな気がいくつか生えていて、赤色やら黒色やらがチラホラ見えています。

あれかな?

何の木だろうと葉っぱを見ると、桑っぽい。

と言う事は…

桑の実?


なんせ初めてなので確信できずにドキドキしながらいくつか生えている木をよく観察しながら歩いていると、ビニール袋を片手に実を採取している人を発見!

声をかけてみました。

聞けばやはり桑の実だそうで、「ジャムにすると色がきれいなんですよ~」と嬉しそうに話してくれたそのおじさんは、「食べた事無くて食べてみたいと思っていたんですよ」と話す私に「よければどうぞ」と一握りくださいました。

背丈ほどの草が生い茂る中苦労して採取した物を見ず知らずの私にくれるなんて!

丁重にお礼を言いありがたくいただく事にしました。

とても気持ちのよい交流ができて一気に気分が良くなり、その後の足取りが軽くなったのは言うまでもありません。



桑の実は漢方薬としても使われ、肝腎の陰を補い腸を潤す効果があります。

髪の白さが目立ち始めた、腸の潤いが無くなり便秘がちだ、なんて時によく使われます。

以前「最近白髪が目立ち始めて…」と言う50代女性の処方に加えたところ、「白髪が目立たなくなりました!!」とものすごく喜んでらっしゃいました。

「そんなに即効性があるのか?」と驚いたのをよく覚えています。

肝腎の陰は加齢と共に消耗していくので、アンチエイジングの為の生薬とも言えると思います。

生薬として使用するのは濃い赤色になった物をそのまま、もしくは少し蒸してから日に当てて乾燥したものですが、生のままやジャムにしても多少の効果は得られるのではないでしょうか?

もっとも、自然の恵みとして食用とするには薬効は高すぎない方が良いのかもしれません。



河原には沢山実をつけた木がいくつかあるのですが、実があるのは2メートル以上の高さで足下は背の高さほどの草だらけ。

おじさんが「早くとらないと鳥に全部食べられちゃうんですよ」と言ってましたが、鳥にでもならないと実をとるのは難しそうです。

それでも自由になる時間があれば重装備で出かけるかもしれませんが…

とりあえず、いただいた桑の実を味わってみようと思います。


おじさんありがとう!



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香る葉っぱ

2010-05-07 | 薬膳&食療(野菜)



夏かと思う様な生暖かい風が吹いたゴールデンウィークでしたが

5月5日は立夏。暦の上ではもう夏になりました。

我が家のベランダ菜園では大好きな香菜が僅かばかりですが青々とした葉をつけています。

その様子を部屋の中からながめてはいつ食べようかと楽しみに楽しみにとっておいたのですが、先日水やりついでにじっと見てみると、アブラムシの大軍が!!

ショック!

これは大変! アブラムシに食べられてしまう前に急いで収穫しなくちゃー!!

と慌てて収穫することに。収穫中は香りが辺り一面に漂って、中国の青空市場を思い出してしまいました。

中国に留学する以前は中国の香りと言えば「八角」でしたが、留学してからは「青空市場のにおい→香菜やセロリといった香り野菜や、旬の果物から漂う甘~い香り」になりました。日本で売っている野菜や果物はそこまで強烈な香りが無いので香りから中国を連想する機会は少なく自家栽培した香菜と苦手な為に敏感なセロリを手にした時くらいですけどね。

収穫した香菜はほんの少しですが一度に食べてしまうのはなんだか惜しい気がして、留学中に良くやっていたしょうゆ漬けにしました。

留学中は一人での自炊なので薬味系の野菜(葱や生姜など)、香菜は一束買っても1~2日では使い切れません。もちろん一度にどばっと食べたい時もありますが(特に香菜)、ほんのちょっとアクセントに使ったり、その香りだけでも!って事の方が多いので、この醤油漬けは我ながら良いアイデアだと思っています。




作り方は簡単で、野菜を洗ってから水気をよくきって、刻んで瓶に入れて醤油を上からまわしかけます。醤油の量は初めはあまり入れすぎず、野菜から出た水分と合わせて野菜がひたひたになる程度。水分の割合が少ない程日持ちが良くなります。

葱醤油はくたっとなった葱と共に冷や奴にのせたり、うどんやそばの薬味にしたりとこれからの季節は冷蔵庫に常備しておくと便利です。




香る野菜は気の巡りを良くする効果があります。

気の巡りが良くなるとモヤモヤとした気分がスッキリしたり、体の代謝や消化が良くなったり、と良い事だらけ。

梅雨の季節に体が重くてだるくて食欲も無くて…なんて時は体内に湿がたまっていることが多いので、こんな時も気の巡りを良くする事で湿気を追い出す事ができます。




気の巡りを良くする働きのある生薬は「行気薬」といいます。

気の巡りが悪いときだけでなく、水や血の巡りが悪い時には処方の中に原動力として行気薬も少し加えます。

この「少し」と言うのがポイント

なぜかと言うと、行気薬は使いすぎると気を消耗するのです。

どんなにいい薬も度を過ぎたり使い方を間違えれば害を及ぼします。

野菜や果物の様な食材は薬程効果が大きくありませんが、それでも長く続ければ影響力も大きくなります。それが体にとって良い効果となるように上手に調節できるといいですね

コメント (2)
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