■一番やさしいスープ(微笑)
[作る]
パンチェッタ、じゃがいも、人参、玉葱、茸たち、粒胡椒、ローリエ。野菜ブロスを加えて、ストウブ鍋でことこと煮る。
仕上げにバターをおとし、胡椒をひきかける。
以前は鶏腿肉を使って、鶏油を引き出しながら玉葱を炒めてから、はじめていました(ニッコリ)。安定して、いいパンチェッタが手にはいるようになり、ストウブ鍋が自分でほっくり煮あげてくれるから、さらに気楽になりました(微笑)。
日本に生まれ育ち、出汁をひくのは日常茶飯事でも、夜遅くの我が家に出現するのは、野菜かチキンのスープなのは面白い話です。
スープが食べられれば、大丈夫(笑)っていうのは、自分を信じるおまじないかもしれません。ことことしている香りに包まれると、他の何かを作る元気が湧いてきます(笑)。
涙ぐみながら、お出汁の美味しいお椀を啜ることは、日本の文化背景には無いけれど、泣きながらパンやスープを食すことは欧州やアフリカの文化には有り得ます。
生き抜くために食す。レジスタンスの意思の顕れ。
ニースの美しいプロムナード。海に向かう人には笑顔の浮かぶ場所。見上げる空には、花火があがっていて。幸せな夜だったはずなのに…。
自由、平等、博愛を掲げた革命記念日に、それを破壊しようとアクセルを踏むものがいる恐怖…。
(30台になりたての若造にとって、仕事がらみで滞在したニースは、眩しい大人リゾートで(笑)。海だけは優しいと、散歩した場所でした。本当に美しかった、あそこで…。)
泣きながら今日も、フランスでは何かを食べたことだろう。生きて、普通に暮らすことが、負けない証だと。
それとは比べ物にならない日常でも、過労死予備群的日常(笑)には、疲れて、悔しくて眠れぬ夜もあるのだけれど…。スープを作り、美味しい…と思えれば、また自分に還ってくるのがわかります。
他人と競うのではなく、求める答のために、粛々と我が道を往くだけ(笑)。
飾るものが何もなくても、自分に還してくれる魔法の力がある…スープです。
被害に遭われた方、涙する方に、哀悼の誠を捧げます。悲しみに国境はありません。共に祈ります。
負けるな、人間。笑って生きたい。