『なぎさ打つ波のごとくに春嵐』
『駐車場陽は戻り来てドア温し』
『彼岸とはイーブンなりと独り笑む』
『まさに仮砂の時計に映る花』
リンゴの花が咲いた。品種は「国光」である。受粉相手の「富士」はやや遅れて開花するが受粉には差し支えない。
バラ科でも、バラの花より「リンゴ」や「カイドウ」の花のほうが小生の好みに合う。果実は今風の糖度の高い品種より酸味の勝る「国光」のほうが好みだ。かなり昔、長野で「娘っこ」だったか、そんな風の名前のリンゴを食べる機会があったが、あれも美味しかった。酸味がある品種は市場には出てこないのが残念だ。
リンゴの花を見ると「三橋美智也」や「美空ひばり」の歌を思い出す。日本がまだ貧しかった高度経済成長期の前夜のころだったろうか。同級生の半分は「金の卵」として集団就職していった頃だ。余談だけど、岩木山…弘前…学生時代、これがリンゴから連なる小生の感傷コースなのだ。
現在は「豊か」になったかのようだが職も無い、家族も養えない。食品が溢れていても「栄養失調」が増えているのだとか。富や価値観の偏在まで言及する気はないけど「国に光」が無い時代だ。せめて花の薄紅色をみて幸せを感じよう。