「やっぱり!」と言うべきだろう、漏水している。先人は「葦が生えると水が漏れる」と葦草の抑制を心がけたものだが、放棄田になり葦草の生い茂るままにまかせた棚田は漏水しないのが普通でないのだ。
一旦、掘り下げて根茎を除き、新たに堤を構築すれば良いのは解っているけれど、スコップ一本の作業では眩暈がする作業量になるだろう。てなことで、堤の基礎を広く取ったものの三箇所から漏水が見られた。以前の棚田再生の堤の時よりも量は少ないからホッとしたのだが、水を入れ、一日放置しても刈り払った地表面まで水位がこないのだ。
計画では、もとの地表面はひたひたに浸す位の浅水域にしたいので、「胴突き」で鎮圧してみることにした。これは結構な重労働で、直ぐに呼吸が荒くなる。それでも一箇所の漏水は収まった。残りの二箇所は、水を掛け土を軟らかくしてから再度の胴突きをする。