郷里の集落周辺や道路の法面、農地や山際には遠くからでもフキやコゴミ、ニリンソウなどが密生しているのが見て取れた。山独活やアケビの新芽、ネマガリダケなどは、草地だからないけれど、藪や山域に入れば目に付くだろう。
コゴミもフキもニリンソウも、あちこちで群落を作り混在していたが、みごとな群落だった。少年時代は、このような環境の場所で遊ばなかったから知る由も無かった風景である。小生の記憶ではカタクリやショウジョウバカマが春の花だったし、ユキワリソウ等の群落も記憶に無いのだ。
この冬は近年にない豪雪だったから、まだ集落内にも残雪があったが、雪代が春の植生に大きく役立っているのが、この歳になって理解できた。山登りをしていた頃、雪渓の周りのお花畑を楽しんだものだが、メカニズムが同様だとは思いもしなかった事である。
雪が残る傍らで水田は代掻きが済んでいた。農耕が手作業だった昔は、きっと冷たかった事だろうが、水田も雪代の恵みなのだ。