視野が開けていて平坦地なのだがノイバラ、ススキ、クズが密生して放置されたままになっている茶畑跡に刈り払いに入った。ここは担当外ではあるけれど、放任しておくにはもったいない。景色を見ながら握りを頬張るも良し、ワラビ原にもなりそうな日当たりが良い良地なのだから。
ノイバラの株元は手首の太さもあり、それが背丈よりも高く絡まっている。その上や藪の中にクズの蔓がパイプラインの様に縦横に走っており、伐り崩すのに難儀した。猪の通る獣道もトンネル状に通って、その途中には半畳ほど広くなった部分がある。猪の寝床なのだろう。草も生えていない。人には気配を悟られない広大な藪だ。
藪全体の広がりは東西100m、南北50mほどもあり、活用しないでいるのが信じられない場所で、その分、猪たちには申し分のない天国だったろう。取りあえずはハイキングコースに隣接して東西20m、南北50mを低草地仕立てに誘導するのだ。
入浴したら太腿にはバラの棘で出来た赤斑が多数あって、発疹チフスの皮膚症状のようになってしまった。イバラの藪を払うと何時もこうなる、おなじみの顛末…。「野のうばら」なんて感傷的に詠んだ奴の顔が見たい。