台風27号で大雨の予報だったから、堤の破壊が酷い泥水地を見回ったら「水が無い!」。さては決壊して向こうの沢に落水か、と確かめに行った。
少々ホッとしたのは決壊でなく、水が来ていなかっただけだった。「もしや?」と思い、送水管の吐出口まで行ったら、案の定、チョボ水だけしか落ちていない。
先日の台風でも出水していたので、隣の沢の集水桝までスコップと鍬を持って出かけた。枡の上にあるネットを掃除し、水路を掘り下げて水の流れを戻す。
送水管の途中の排砂バルブを開けて排砂を行ったが、水量は回復しなかった。今までも、水量に反映するのに1日程度必要な事は有ったので、台風通過後に確認したら回復して一安心だった…が、雨のせいで忌避物質の効果が薄れ、猪による構造破壊が更に進んでしまった。水が無いどころでは済まなく、おっつけ「畦・堤が無い!」になってしまいそう・・・・・。
百姓している訳ではないけれど、「百姓」と呼ばれてきた意味と実態が、保全活動をしていても垣間見えてくる、と言うより身に降りかかってくる。百姓は農業者ではない「No,業者」なのだ。
兄から日本北限樹の種子をもらった。絶滅危惧種まではいかないにしても珍しい樹種なのだとか…。
調べてみると天然記念物に指定された地域もあるが、小生が関心を持ったのは「食べられる黄金色の果実」なのだ。手に入った時は、既に過熟し黒くなっていたから、色を見る事も、実を味わう事も出来なかった。
「種子の発芽率は悪い」と記載されていたので播種してみる事にした。一般に「果肉には発芽抑制物質が含まれる」と言われるのは承知だったので、水の中で果肉を潰しもみ洗い、細かい砂を加えて更にもみ、手のひらの中で歯ブラシでこすり落とした。
経験値の中では「果肉の落ちにくい部類」だった。洗ってびっくりしたのは、その姿で、割ったクルミにそっくり、そのうえ外側は乾燥杏子の色で瑞々しい。
ほとんど遊びの世界だから、素焼きの平鉢に50粒播種し庭に埋めた。「取り播き」なので来春に発芽するまでは乾燥させられない。埋めておけば冬の乾燥時でも多少は安全だろう。用土は土に腐葉土、カニガラ、貝化石粉末を混ぜ、灌水は「えひめAI」の希釈水である。
発芽するのかしないのか、成長するのかしないのか、結実するのかしないのか、食べることが出来るか出来ないのか、まあ、気の長い楽しみ方ではある。