未明まで降雨だったためフイールドは濡れている。とは言え夏日に迫ろうかと言う良いお天気で蟄居妄想はいただけない。急斜面、それも一昨年の大量除伐後の片付いていない斜面から大径木の幹を集材するのはいささか危険なのだが、ともかく斜面下に転がるように方向を整えてやれば良いのだからと出かけた。

案の定、足元は枝の裁断物で歩き難いし立ち位置の確保も難儀だった。一番の要因は老化によるバランス感覚の衰退なのだろう。枝を踏みしめて歩いたり足首に引っ掛かると「オットットー!」になってしまう事度々なのだった。それでも丸太椅子に使えそうな径材を転がり落として下の広場に集めこの日は終わり。
まあ、余禄ではないものの一昨期に刈りだした柑橘樹の実が落果しているからバケツ1杯分だけ拾ってきた。放任樹なので当時は酸っぱいだけだったけれど今回は意外に美味しかったのだ。料理に使う心算はないものの水分補給にはなるだろう。
この現場2日目。チェーンソー2台を刃研ぎしてオイル・燃料・手入用具をも携行して現場へ行く。ひたすら丸太を切断し100個の丸太椅子を用意するのが目標だから生半可では進まない。何時もの準備の他に今回は防振手袋を装着した。防振手袋は刈り払い作業時しか装着していなかったのだが、まあ、それだけ気合を入れ長時間作業の覚悟であったという事に尽きる。

切断ごとにスケールを当てるのは面倒なので塩ビ管を1尺に切断し物差し代わりにする。やはりこの方が何かと早いし楽なのだ。前日にチェーンソー2台の整備をしておいたのだが30数個切断するまでに2台とも刃研ぎ1回と燃料・オイル補給を1回行わねばならなかったが予想通りの顛末。刃研ぎは通常の林内作業のようにチェーンソーの固定はせず研ぐ事はしなくて固定して刃の研ぎを行ったのだ。この方が目立ては正確だし早い。その結果、切れ味も良いのであるが「チョコッと作業」ではなかなかやり難い。

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昼まで掛かって合計90個の大台を超えることが出来た。この林内では適正径は無くなったから予備用の幾つかを最初の林内から調達すれば一通りの役目は終わる。とりあえず担当者にメールで報告して解放されたのだった。