一人で黙々と田植えの準備をしているO氏の手伝いに行った。まだ堤の補修をしなければならない所があり、小生は上部の棚田での作業となったが、田植えをする予定の下部の棚田は代掻きをして水位を確定すれば良いところまで来た。まだ堤や畦の突き固めを実施していないが、盛り上げた泥土の乾燥状態を見てから出ないと実施できない。まだ緩くて早すぎる。
南側の斜面にあるコナラが大きくなって田の半分に影を落とす。それより前で影を落としていたリョウブの大木3本は除伐したのだが、コナラ3本も除伐の必要がある。
この急斜面での作業は、この冬に予定していたのだけれど、小生の足の回復が十分でなかったから取りやめたのだ。転落防止のためのロープをつけての作業になるのだが、斜面の崩落防止の観点からも除伐しなければならないだろう。
思い出すだけでも忌々しい。何年にも渡る盗掘被害の数々だ。今年から被害箇所に藁人形を打つことにしたのだが、正確には藁でなくスゲ人形なのだけれど、材質はどうでも良い。精神衛生を図ることが姥捨て山の中では大切である。
神仏のご加護に委ねるので、呪いではないから「丑の刻参り」の作法を踏襲しないけれども、頭には鉄輪の代わりにバンダナ、ロウソクの変わりに蚊取り線香、5寸釘の代わりには3寸釘で、丑の刻の代わりにおやつの刻に実施した。つまるところは「原始力で明るい未来」を築くのだ。ただ引用標語の諸氏と異なり情報の隠蔽はしない。
こういう行いは「反社会的」と言うか「否社会的」行為に属するのだろうが、これで同じ土俵に立てた気分もある。さてさて不動明王様は勧善懲悪というより、煩悩諸悪よりお救いくださると言うのでおすがりして、霊験は「盗掘ゼロ」で確認できる理屈だけれど…ねえ。
時々野遊びに来るオチビちゃん達が、今日はクワの実摘みに挑戦していた。駐車場の樹は大きくなって美味しいところに手が届き難い。
一枚撮らせてもらったついでに斜面の低い樹を教えた。ついでにクサイチゴの鈴なりの場所も教えた。まあ、一宿一飯の恩義みたいなものである。
クサイチゴもむさぼるように食べていて、その内にポリ袋の中に集め始めた。家族のデザートに十分すぎる量がある。帰る時、わざわざ草刈りをしているところまで来て「バイバイ」をして帰って行った。
山仲間とでも言うのか、山のマナーとでも言うのか、オチビちゃんたちは挨拶が上手である。「おじさん」と呼びかけないで、たどたどしくも名前を呼ぶ。親の姿勢次第だけど一般的には死勢になってしまった。
水路を蔽っていたスゲやイタドリを刈り払い、そのままにしていたのだが出水で流されなかったから、熊手とフォークで清掃する羽目になった。横着はいけない。
水面が覆われているとカワトンボやイトトンボの生息に支障が出て、何よりも産卵できる環境ではなくなってしまうからだ。熊手で掻き集めフォークで取り除いたら、ようやく水面が現れカワトンボが集まってきた。羽根の茶色のオスが多かったが連結飛行を始めたカップルも出た。
たかだか長さにして10m超の水路だけれど、このトンボ達には子孫を委ねる大切な水系になった。築いてしまった小生には責任の一端はあるから、増えた個体と種類を減らさないよう手を入れるが、あちこちで芋蔓式に、必要なちょっとした作業が増えていく。
百姓と言う語源の由来が解る気がする。
太陽のど真ん中突く月の冴え ドル・ブッシュ
金環食一期一会の五分間 水盃
あの頃に金環はなし四畳半 金卵鈍子
金環に群雲のごと隠し合い 談合算兄弟
キンコンカン緑の丘の時計台 佐田啓二
金環を挿してしまえばスカイ釣りー ソラカラ
月は良し雲に寄られちゃご迷惑 おしなり
09年皆既雷雨で逃げ帰る金環食で生きたり眼鏡 トロル
あれ痒い眼鏡掛けては蚊は見えぬキンカン塗ってかゆみ根絶 頓珍蚊