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昨季までの構成は豆乳ヨーグルト、生菌製剤BとM、ビール酵母にミドリムシ粉末に植物性ヨーグルト飲料で固さを調整した人工餌であった。これに加え、時折は河川で採集した珪藻を投与していた。冬季の給餌はしなかったが、これは毎期の事で、失う個体の多くは水温が高くなった頃に現れたから昨季は初めて避暑に出してうまくいったのだった。
タナゴの昨季は幼魚体で産卵管も出ず、それで産卵母貝としての消耗はなかったものの、今期のタナゴは昨季の倍以上60mmの体格になったから産卵するはずである。
タナゴの飼料は錦鯉飼育残りの浮上餌と冷凍イトメで、泥鰌も底を這いずるから沈下性の集魚ペレットも投与していた。冬季の餌やリは魚も無し。緩い水流と曝気だけの管理だ。
昨季は「人工産卵床」を用意して設置したカプセルの吸水口と出水口にタナゴは集まったものの産卵管の出ない個体では人工産卵床の確認も出来なかった。自然環境下に近い池を用意しているのに水槽飼育用の人工産卵床を設置しても「馬鹿みたい」に思えたから今期は池の環境での産卵に挑戦だ。「稚魚が食べられる」と言う懸念は稚魚だけが集まれる保護水域を用意してカバーする。これは昨夏にフイールドの上の池でマツカサ貝を避暑させていた槽で中に藻を浮かべ環境作りをするつもりだ。
さて今期、人工餌の工夫は「的外れ」のリスクもあるものの高温期耐性をつけるためには体力が肝心だと考えて栄養価の向上を狙ったのだ。しかし消化吸収の前に摂取してくれるかどうかの実態は不明のままで、いわば一人合点、悪く言えばごり押し強制も否めない。
それでもあえて混合するのは「嫌なら吐き出してくれるだろうし、それはそれで同居生物の餌になる」と言う事に尽きる。今期の調合に新たに加えるのは酒粕、アサクサ海苔とバナナである。既にアサクサノリと酒粕は植物性ヨーグルト飲料で溶解中で、これに生菌剤粉末を混合し、傷みの早いバナナは給餌時にフードプロセッサーで混合して与える算段ですでに購入済み。
出来たペーストは三等分し二パックは冷凍庫へ、ひとつは容器で溶いて冷蔵庫である。今期はほぼ毎日オチョコ一杯を投与してみる。
バナナを混合してしまうと冷蔵庫内でも一週間程度しか鮮度を保てないだろうし、毎日混合する手間も嫌なので、ほぼ1カップ程度の作り置きでやってみる。これを小さいソースの容器に入れてタナゴやドジョウの給餌と一緒に「チューッ」でお終い。人工餌のため欲しいと思っていたフードプロセッサーを購入したのでシェーバーの交換が遅れた。1台の替え刃はすでに製造中止でもう一台は蓄電池が不良になった。どちらにしても交換時期なのであるが身だしなみより貝の飼育に年金が消える。