GITANESが美味いのは習慣だからだろう。
それとは無関係に・・・。
三回忌は終り、墓へ。
小さい寺の小さい墓地なので、それほど多くの墓は並んでいない。
古い桜の木が一本あって、枝を広げたその真下がわが家の
墓である。
さくらのシーズンはさぞ壮観だろうし、花びらが墓石を
覆い尽くしているのだろう。
ところが、今のシーズンは何で覆われているかというと、
ウヨウヨと蠢く毛虫である。
とにかくその桜の木の下至るところに毛虫が這い回っていた。
お坊さんも「今年はちょっと多すぎますねえ」と言いながら
殺生をする訳にはいかないので、慎重に歩いていた。
枝、葉の上にも毛虫があちこちに乗っかっていて、
枝が風に揺れるたびにボトボトと落下してくる。
それをさけながらの掃除と供養だから忙しい。
「まあそれでも、この毛虫もシーズンが来たらきれいな蝶に
変身して空に飛び立つんですねえ・・・」と誰かが言ったら、
坊さんは間髪を入れずに
「いえ、蛾です。」
「は?」
「蛾になります。全部蛾になります。」
皆無言になり、その中を風がふーッと辺りを抜けた。
また枝からボトボトと毛虫が落ちてきた。
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