GITANESの匂いなど微塵もないリビング。
それとは無関係に・・・。
本をどこで読むかは、なかなか難しい問題である。
リビングにある布張りのソファーに寝転んで読もうとしても、
ものの数分もしないうちに暑くて堪らなくなる。
書斎の一人掛けソファは、ひじ掛け部分の高さが気に入らない
ので、長時間は無理だ。
ダイニングのチェアはちょうどいいが、座って読んでいると
寝転びたくなってくる。
畳の部屋は、もったいないからエアコンを使わず
つまり熱死するおそれがあるから無理。
ベッドで読んでしまったら、下手すると朝までぐっすり
ねてしまう。
となると、リビングの固い床に寝転ぶしかない。
結局これが一番快適なのだが、腰や背中が痛くなる。
床に胡坐で座り込んでも、余計に腰や背中が痛くなる。
腰や背中が痛い なんてことをうっかり口にしてしまうと
「そりゃあ内臓が悪いんだ!そうに決まってる!」と
口々に指摘され、世論に弱い私など「じゃあ病院で検査でも・・・」
となってしまい、先日のような大騒動になってしまうと困る。
最近イレギュラーな読書の仕方をした。
ターミナル駅の前で人待ちをすることがあり、時間の余裕が
あったから書店に寄り3冊ほど買う。
待ち合わせ地点にあるステンレスの柵にもたれて人待ち
することにした。
いい具合に手元には本が3冊もあるではないか。
そのうちの1冊を紙袋から取り出して、読んでみた。
周りでは人が行き交う。うるさくはないが賑やかではある。
その中で本を読むと、なんだかどんどん本読みが進むのだ。
結局時間つぶしには本が最適だということと、どこでだって
本は読めるということ、そして非日常は愉しいという要素
が重なって、ページがどんどん進んだのだろう。
といってもわずか10分ぐらいだったが、いい経験だった。
片岡たまき/あの頃、忌野清志郎と
という本だった。
雑踏向きの本だったのかもしれない。