筑西市の内外大神宮から車で10分ほどのところに中館観音寺があります。ここは春になると桜が綺麗なお寺で、茨城百景にも指定されています。本尊は鎌倉時代に作られた延命観世音菩薩で、国の重要文化財となっています。日没まで時間があるので、帰りに立ち寄ってみました。社号標には国宝と刻まれていますが、文化保護法施行前(昭和25年以前) は重要文化財という分類が無かったので、全て国宝に位置付けられた時代の名残でしょう。
珍しい太鼓橋を渡り石畳を歩くと、正面に観音堂本堂があります。中館観音堂は施無畏山延命院観音寺と号す天台宗の寺院。用明年間(585~587年)法倫独守が開山したのが始まりと伝えられています。
説明があるのですが、かすれてほとんど読めません。以下のように書かれているようです。
国指定重要文化財 観音菩薩座像
県指定文化財 史跡 伊佐城跡
工芸 螺細硯箱
絵画 八景の図 狩野探幽筆
本堂は彫刻が見事です。筑西市のHPから引用します。
観音寺本堂は方形造(ほうぎょうづくり)木造平屋瓦葺、主に欅材を用い、桁行五間、梁間五間、前面二間を外陣、奥三間を内陣としますが結界には建具を入れません。ほかに10m2の収蔵庫をつけ、重要文化財の木造観世音菩薩立像を納めています。江戸中期の建造で同時代の特徴をよくあらわし、台輪上の小壁に花鳥や人物の薄肉彫をはめ込み、組物を三手先とし、二重尾垂木尻を龍頭としています。向拝の頭貫を二重の龍の丸彫とし、手挾を4枚入れます。宝暦4年(1754)6月28日補修を記すクサビがあり、また唐戸に寛政7年乙卯(1795)11月の寄進名があります。(引用終わり)
江戸時代の作品のようです。扁額には施無畏と書かれています。
かなり薄暗くなってきたので、見る角度によっては本堂内の照明が目立つようになりました。仏像に照明が当たっている様子です。
階段下まで近寄り、思いっきりズーム。仏様がライトアップされています。重要文化財の木造観世音菩薩立像かもしれません。
本堂の裏側にまわってみました。筑西市の指定文化財である伊達行朝公塔がありました。
これが伊達行朝の墓です。観音寺との関係が分からないので筑西市の解説を以下に紹介します。
一族の旧地である伊佐城の地に建立された供養塔のようです。
近くに石仏が並んでいました。