映画「その男、凶暴につき(1989年公開)」を観た。
【解説】ビートたけしが北野武名義で初監督を果した記念的作品。当初、ビートたけし主演、深作欣二監督で進められていた企画だったが、スケジュールが折り合わずたけしがメガフォンをとることになった。暴力的な異端刑事の我妻が麻薬組織の真相を探る為、組織や殺し屋たちと繰り広げる闘いを描く。現在世界のキタノと呼ばれるまでになったが、彼自身「この映画で監督をやってなかったら今日まで映画監督をやってなかった」と語っている。
以前一度だけ観た記憶のある作品だった。とても印象的な独特の音楽で映画が始まる。台詞を極力削っている作品(だと後から知った)なので、バイオレンスシーン以外は淡々と話が進んで行く。観終えての感想は以前観た時の印象とは随分と異なり、主人公は凶暴であるものの、破天荒な人物ではなく、しっかりと正義を貫いている。また公開から25年が経ち、確かにトイレで頬を(実際に?)何回も平手打ちしているシーンには凶暴さを感じるものの、全体を通すとそれほど凶暴には感じない時代背景に少しだけ驚く。
たけし作品ではお馴染の寺島進も出演している。そしてラストシーンでは不可解なOLのアップでエンディングロールを迎える。一体あの意図は何だったんだろう?