日生劇場で堀北真希主演の舞台「嵐が丘」を観に行った。
【解説】エミリー・ブロンテがその30年という短い生涯で唯一執筆した小説「嵐が丘」―19世紀、イングランド北部ヨークシャーの荒野に建つ「嵐が丘」という名の屋敷を舞台に、キャサリンと孤児ヒースクリフの激烈な愛、そして不滅の愛を描き出した壮大な愛の物語 ―〝世界の十大小説〟のひとつと謳われるなど全世界で読み継がれ、刊行から150年以上の時空を超えていまなお輝き続ける永遠の名作。愛に燃える主人公キャサリンには、これまで唯一無二のヒロイン像を造形してきた女優、堀北真希。不朽の名作に情熱的な新たなヒロインが生まれます。愛ゆえに復讐心に駆られるヒースクリフには、山本耕史。ほかにも戸田恵子が出演するのをはじめ充実のキャストが揃い、脚本・演出のG2による新たな『嵐が丘』の世界がいま輝き出します!!
「世界の十大小説」と呼ばれている作品である。舞台前(上記画像の暗い場所)に設置されたオーケストラピットから流れる生演奏はやはり迫力が違う。そして目まぐるしく展開する舞台が実に素晴らしく、回想シーンの演出と共に魅了される。また戸田恵子の存在感がピカイチで、ソニンの熱演と共に舞台に引き込まれる。
ただ復讐に燃えるヒースクリフを中心に進むストーリーであるが、三時間弱の上演時間では彼の虐げられた感がそれほど感じられない為、結果的に非常に自分勝手で傲慢な男に思えてしまった。また舞台劇のストーリーは「身勝手率」が高いような気がするのは私だけだろうか?
ちなみに作者のエミリー・ブロンテの姉シャーロットの「ジェーン・エア」に注目が集まったのに対し、当時本作は酷評されたそうだ。