ランチでひとりで入った初めてのお店。
ランチの時は煙草を吸わないので禁煙席に通される。三方を壁で仕切られた小さな長方形の禁煙コーナーには四人掛けのテーブルが二組ずつ二列に並んでおり、手前のテーブルに幼子を含む四人家族が座っており、斜め奥の席に座った。その家族から一番遠い席ではあるが、小さな空間なのでまるで同席しているかのように接近していた。すると挨拶代わりに幼子が大声で泣きわめく。それは仕方が無いことなのだが、あやす事も無く淡々と会話を続けている若い夫婦。
まあ、いい。その程度なら我慢は出来る。さっと食べて帰ればいいだけだ・・・と自分に言い聞かせるが、料理がまったくもって遅い。その間にも泣き声は波のように寄せては返し、さらに小部屋の壁に反射するものだから四方八方から鼓膜にガンガン響いていた。そして先に家族に料理が到着した。これでしばらくは静寂なランチになるだろうと思いきや、「波」は何度も何度も打ち寄せて来た。
喫煙席にすれば良かったな~と今更ながらの後悔をするが、夫婦は依然として特別反応することもなく、料理の感想を述べ合っている。そろそろ限界が近づいて来た頃にようやく目の前に運ばれて来た。泣き声のBGMに急かされるように口に運ぶものの、熱くて熱くてなかなか箸が進まないが、一刻も早くこの場を立ち去りたい一心で無理やり口に運び、唇と舌にたくさん火傷を負いながら席を立った。
ただね・・・泣くのが仕事の幼子には全く罪が無い。ちょっとした親の配慮と気配りがあるだけで状況は劇的に変わると思うんだけどね・・・とビロビロになった唇を気にしながら店を出た。
【明日5/27(水)は定休日です】