「平成の怪物」松坂大輔投手が引退した。
1998年甲子園決勝でのノーヒットノーランでの優勝を観た時、「まるで漫画じゃん」と驚き、ドラフトでは三球団競合の末にライオンズに入団。1999年プロ初登板で自己最速の155キロで片岡の体勢を崩す圧巻の空振り三振を見て、当時高卒選手の活躍にはさほど期待はしていなかった自分を恥じる。同年イチローとの初対決で3打席連続三振に抑え込み「プロでやれる自信から確信に変わった」との名言が出た。そして高卒投手として33年ぶりとなる新人王に輝いた。その後オリンピックやWBCでも活躍し、一体彼はどこまで成長してしまうんだろうと敵ながらワクワクしながら観ていた。
日米通算170勝を挙げたが彼自身「勝ち星のほとんどは最初の10年」と語るように2009年からは怪我に苦しんだ。「本当は投げたくなかった」と語る引退試合での投球は従来の躍動感あふれる投球フォームではなく緩いボールが投げ込まれたのがとても印象的で、お約束の引退試合ではなく、またベイスターズの三浦ともまた少し違ったラスト登板は、会見での「自分を褒めるなら?」の問いに対して「諦めの悪さを褒めてやりたい」の答え同様に良かった。多くの選手は学生時代もしくはプロ生活のどちらかで活躍する場合が少なくないが、そのどちらでも大活躍した数少ない素晴らしい選手であった。
今シーズンでジャイアンツの亀井・大竹、ファイターズの斎藤佑樹がユニフォームを脱いだ。お疲れ様でした。