映画「チャップリンの殺人狂時代(1947年公開・原題Monsieur Verdoux)」を観た。
【解説】「モダン・タイムス」のチャールズ・チャップリンが、「チャップリンの独裁者」以来7年ぶりで製作した1947年度作品。製作・脚本・監督・主演を1人で行なう他、作曲も担当している。原案はオーソン・ウェルズ「第三の男」のサジェストである。撮影はローランド・トセロー。主演はチャップリンの他、「ワイキキの結婚」のマーサ・レイ、チャップリン発見の新人マリリン・ナッシュで、マディー・コレル、イゾベル・エルソム、チャールズ・エヴァンスらが助演する。
「一人を殺せば悪党 百万人を殺せば英雄」の有名な台詞のある作品である。チャップリンと同じ誕生日の私は彼の作品を幼い頃からよく観たが、それはドタバタ喜劇の短編作品や「黄金狂時代(1925年)」「街の灯(1931年)」や「モダンタイムス(1936年)」等のサイレント作品ばかりで、本作品を始め反戦メッセージが込められた(音声の出る)トーキー作品は「独裁者(1940年)」や「ライムライト(1952年)」以外ほとんど未視聴だった。
喜劇王としての面影は元出納係を彷彿させる札の数え方程度しか登場せず、様々なメッセージを込めて静かにエンディングを迎えた。そして公開から70年が過ぎ、違った意味で世界は殺人狂時代となってしまった・・・