映画「さらば愛しきアウトロー(2019年公開)」を観た。
【解説】ハリウッド屈指の美男俳優として人気を集め、「明日に向って撃て!」や「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」など長年にわたり活躍してきた名優ロバート・レッドフォードが俳優引退作と公言している最後の主演作。1980年代初頭からアメリカ各地で銀行強盗を繰り広げ、それによる逮捕と脱獄を繰り返した実在の人物フォレスト・タッカーを描いた。強盗といいながらも、発砲もしなければ暴力も振るわないという紳士的で風変わりな犯行スタイルを貫いた主人公タッカーをレッドフォードが演じ、タッカーを追う刑事ジョン・ハント役を「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のケイシー・アフレックが担当。そのほか、シシー・スペイセク、トム・ウェイツ、ダニー・グローバーらが共演。監督は「A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー」のデビッド・ロウリー。
刑事役のケイシー・アフレックとジュエリー役のシシー・スペイセクが好演。人を傷つけない窃盗は一瞬ルパン三世を彷彿させるものの、どうにもこうにも引き込まれないのは、「粋」ではなく、単なる老人の窃盗症にも思えてしまったからかも知れない。もっと若い頃の数々の脱走にフォーカスしてくれたらいいのにと脱獄マニアとしては思う。
センスのない邦題であるが原題がThe Old Man & the Gun(老人と銃)とあるように、2001年公開の映画「スパイ・ゲーム」ではそれほど感じなかったが、それから20年を経過しすっかりアップに耐えきれないしわくちゃな老人のレッドフォードに俳優引退作品であることを痛切に実感した。