新橋演舞場で「阿弖流為(あるてい)」を観た。
平成14年に劇団☆新感線と歌舞伎俳優、市川染五郎にて新作舞台「アテルイ」として上演され、若者に圧倒的に支持された。その舞台が新たに歌舞伎NEXT「阿弖流為(あてるい)」(中島かずき作、いのうえひでのり演出)として、13年ぶりに上演される・・・とのこと。市川 染五郎(阿弖流為)、中村勘九郎(坂上田村麻呂利仁)中村七之助(立烏帽子/鈴鹿)の若手三人の共演に期待も膨らむ。
開演時間ギリギリに二階席に座る。舞台のちょうど真ん中の席だった。右側に特設の花道があり、左右二本の花道を使用し、躍動感いっぱいに演者が駆け巡る。また両花道上で二人が対峙するシーンは台詞が観客の上を通過する臨場感。とにかく大立ち回りが激しく、生ドラムと生ギターの演奏がとても効果的で染五郎の飛び六方に魅了される。また「人は義に生きる。それが戦になると”大義”になる。 義と大義。大という字が付くだけで胡散臭くなる」という田村麻呂の台詞はなかなかいい。入場時に貸与される腕時計型のライトが自動的に点灯すると会場中が「蝦夷(えみし)の星空」となってエンディング。
いや~面白かったな~
【みどころ】古き時代、日の国――。大和朝廷は帝による国家統一のため、帝人(みかどびと)軍を北の地に送り、そこに住むまつとわぬ民、蝦夷(えみし)に戦を仕掛けていた。その頃、都では、蝦夷の“立烏帽子(たてえぼし)党”と名のる盗賊一味が人々を襲っていた。それを止める一人の踊り女。彼女こそ立烏帽子。女だてらの立烏帽子党の頭目だった。町を襲う盗賊が自分たちの名を騙る偽者であること暴くため変装していたのだ。そこに都の若き役人、坂上田村麻呂もかけつける。さらに“北の狼”と名のる男も現れ、偽立烏帽子党を捕える。この事件をきっかけに北の狼と田村麻呂は、互いに相手に一目置くようになる。だが、北の狼と立烏帽子は、蝦夷が信じる荒覇吐(あらはばき)神の怒りを買い、故郷を追放された男女だった。
北の狼の本当の名前は、阿弖流為(アテルイ)。故郷を守り帝人軍と戦うため、立烏帽子と二人、蝦夷の里に戻ることにする。荒覇吐神の怒りをおさめた阿弖流為は、蝦夷の兵を率い、帝人軍と戦う。彼の帰還を快く思わぬ蝦夷の男、蛮甲の裏切りにあいながらも、胆沢の砦を取り戻した彼は、いつしか蝦夷の新しい長として一族を率いていく。
一方、田村麻呂も、帝の巫女である姉、御霊御前(みたまごぜん)や右大臣藤原稀継(ふじわらのまれつぐ)らの推挙により、蝦夷大将軍として、蝦夷との戦いに赴くことになってしまう。阿弖流為と田村麻呂、互いに認め合う二人の英傑が、抗えぬ運命によって、雌雄を決する時が来ようとしていた。
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