映画「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(2018年)」を観た。
【解説】巨匠スティーブン・スピルバーグ監督のもとで、メリル・ストリープとトム・ハンクスという2大オスカー俳優が初共演を果たした社会派ドラマ。ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に疑問や反戦の気運が高まっていた1971年、政府がひた隠す真実を明らかにすべく奔走した人物たちの姿を描いた。リチャード・ニクソン大統領政権下の71年、ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在をニューヨーク・タイムズがスクープし、政府の欺瞞が明らかにされる。ライバル紙でもあるワシントン・ポスト紙は、亡き夫に代わり発行人・社主に就任していた女性キャサリン・グラハムのもと、編集主幹のベン・ブラッドリーらが文書の入手に奔走。なんとか文書を手に入れることに成功するが、ニクソン政権は記事を書いたニューヨーク・タイムズの差し止めを要求。新たに記事を掲載すれば、ワシントン・ポストも同じ目にあうことが危惧された。記事の掲載を巡り会社の経営陣とブラッドリーら記者たちの意見は対立し、キャサリンは経営か報道の自由かの間で難しい判断を迫られる。第90回アカデミー賞で作品賞と主演女優賞にノミネートされた。
数日前に米兵が機密文書が漏洩した事件があったばかりで、アメリカの戦争関与の歴史を確認してみようと観始める。私が生まれた1966年ベトナム戦争のシーンから始まり、映画「明日に向かって撃て」のポスターがちらっと映る。社主としてまた女性の経営者と記者の報道の自由との軋轢に苦悩すると思いきや、予想していたよりも意外にあっさりと決断する。
冒頭の朝食会を始めメリルとトムの会話のやり取りが実に秀逸で、これだけでも観る価値のある作品である。ラストは映画「フェイブルマンズ」同様、スピルバーグ監督特有のほぉーと思わせてくれるエンディングを迎える。