公開中の映画「ある船頭の話」を観に行った。
【解説】オダギリジョーの長編映画初監督作品で、柄本明が演じる船頭を通して本当の人間らしい生き方を描いた。橋の建設が進むある山村。川岸の小屋に暮らし、村と町を繋ぐため船頭を続けるトイチは、村人の源三が遊びにやってくる時以外は黙々と渡し舟を漕ぐ毎日を送っていた。そんないつもと変わらない日常を送るトイチの前に、ある1人の少女が現れたことをきっかけに、トイチの人生は大きく変わっていく。主人公のトイチ役を「石内尋常高等小学校 花は散れども」以来11年ぶりの映画主演となる柄本が演じ、源三には村上虹郎が扮した。「ブエノスアイレス」「恋する惑星」などで知られるクリストファー・ドイルが撮影監督を務め、黒澤明監督の「乱」でオスカーに輝いたワダエミが衣装デザインを担当。音楽を映画音楽初挑戦となるアルメニア出身のジャズピアニスト、ティグラン・ハマシアンが手がける。
とても気になっていた作品だったので休日の朝に今年創業100年を迎えた新宿武蔵野館へ向かった。上映時間数分前に到着すると、前から三列目までだけが数席空いていただけの大入り満員状態で期待が高まるが・・・美しいであろうと思われる川の風景が何故か印象に残らず、さらに台詞も音楽も今一つで展開の悪さもあり次第に137分の上映時間にじれ始める。勝手なイメージで寡黙な船頭を予想していたものの柄本明は結構よく喋る。きっとあと数年後の柄本明だったらこの作品の良さが際立ったのかも知れない。
ワダエミの衣装はいつもながら奇抜で、武蔵野館のソファは実に座れやすかったが、隣の観客の揺れに連動する。当日は映画ファンサービスデーで1000円だったが、いつも言っているようにやはり映画はこの金額が適切じゃないかな?と席を立った。