公開中の映画「騙し絵の牙」を観に行った。
【昨年6月に公開される予定だったようだ。この一年近く出演者に何かしらの「アクシデント」がなくて何よりだ】
【解説】「罪の声」などで知られる作家の塩田武士が大泉洋をイメージして主人公を「あてがき」した小説を、大泉の主演で映画化。出版業界を舞台に、廃刊の危機に立たされた雑誌編集長が、裏切りや陰謀が渦巻く中、起死回生のために大胆な奇策に打って出る姿を描く。「紙の月」「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督がメガホンをとり、松岡茉優、佐藤浩市ら実力派キャストが共演する。出版不況の波にもまれる大手出版社「薫風社」では、創業一族の社長が急逝し、次期社長の座をめぐって権力争いが勃発。そんな中、専務の東松が進める大改革によって、売れない雑誌は次々と廃刊のピンチに陥る。カルチャー誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされるが……。
序盤からとてもテンポが良くグイグイ吸い込まれる。ただ封切前から「全員ウソをついている」「騙しあい」とやたら煽り、チラシにわざわざ相関図を載せたりするので否が応でも期待が膨らんでしまうのだが、人間関係はそれほど複雑ではなく、騙しというよりは駆け引きであって、派閥争いも裏切りも半沢直樹と比べると比較的地味なので痛快感もあまり無い。國村隼の長髪が「大作家」らしい演出で木村佳乃の頬がやたらシャープになっていた。
もしラストで大泉洋が「笑っていたら」粋な作品だった気がする。