映画「誰も守ってくれない(2009年公開)」を観た。
【解説】大ヒットシリーズ「踊る大捜査線」の製作チームが、殺人事件の被疑者家族として言われのない社会的制裁を受ける15歳の少女(志田未来)と、彼女の保護を命じられた中年刑事(佐藤浩市)の逃避行をドキュメンタリータッチで描いた社会派サスペンスドラマ。監督・脚本は「MAKOTO」「容疑者 室井慎次」の君塚良一。第32回モントリオール世界映画祭では最優秀脚本賞を受賞した。
犯罪加害者の家族を保護するというなかなか取り上げられることのなかった視点で、独自のカメラワークと関係各省の矢継ぎ早で事務的な離婚・再婚の改姓手続き等、序盤からのめり込んでしまった。わずか10年前の作品にも関わらず、佐藤浩市を始め、佐々木蔵之介、(顔がパンパンの)志田未来の表情がまったく今と異なる。また木村佳乃や松田龍平がいい味を出しており、ムロツヨシがちらっと登場する。
劇中「犯罪被害者は守れなかったのに犯罪加害者は守るのか?」との台詞がある。被害者側の気持ちはよく分かるし、また加害者の家族の立場も複雑である。警察としては加害者家族の保護は公に認めていない立ち位置がまた興味深く、終始色々と考えさせられる作品であった。