北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

エゾシロ交尾拒否パターン1.  交尾中の♀交尾拒否

2015-06-28 21:48:59 | エゾシロチョウ 
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エゾシロチョウ交尾拒否パターン1.  交尾中の♀交尾拒否

♀が羽化しようと蛹から出たとたんに♂がせまり交尾が成立する。しかし、そこへ別の♂がしつこくせまる。


♂をぶら下げた状態で自分自身のまだ柔らかい羽根を展開しながら、その後も絶え間なくせまってくる他の♂の交尾を求める行動を拒否する状態。


この時はすでに交尾状態なのでいくら他の♂がせまっても当然ながら交尾は困難である。

♀は、しばしば羽根を少し広げたりするだけで、♂があきらめて飛んでいってくれるまでじっと我慢しているしかない。


せまっていた♂があきらめて飛んでいったあとは、すぐにまた別の♂がせまり同じように執拗で、はではでしいちょっかい掛けを繰り返す。

何故、♂たちは交尾中のカップルに対してこのような不毛の行動を続けるのだろう。






  この項 続く。




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エゾシロチョウの交尾48時間

2015-06-20 07:07:11 | エゾシロチョウ 
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エゾシロチョウの交尾48時間

処女状態で飛翔中のエゾシロチョウ♀が、寄り添ってきた♂と仲良くランデブーしながら、お互い心を許し合い、その後晴れて交尾にいたるといった感じのラブロマンスは一切無い。






エゾシロチョウの交尾は、発生樹木の上で、♀の羽化直後に待ちかまえていた♂により、あっと言う間に実に強引に行われる。交尾後の♂は急におとなしくなりもっぱら♀にぶらさがった形で♀とともに移動し、場所が定まればじっとして交尾状態を継続する。♀は交尾した♂をぶら下げながら、ゆっくり柔らかい羽根を伸ばし、時間をかけて乾かしてゆく。この間、交尾できなかった♂たちが絶え間なく割り込み交尾をねらうように飛来し、激しく羽根をばたつかせてせまるが、当然無駄なことである。なぜ♂たちは、このような不毛の交尾をせまる行動をえんえんと続けるのだろうか?。


今回、我が家の庭の赤ボケに発生したエゾシロ個体群では、2015年の5月下旬から6月上旬にかけて♀の羽化にあわせて連日交尾が行われた。交尾時間はさまざまだが、数時間におよぶものが多い。驚くべき観察結果として気温がグンと下がった時には実際飛び立つことが出来ない状態になるせいか、少なくとも48時間以上ものあいだ交尾していたペアも4組観察した。


このペアは交尾後、北見付近に寒気団がきて霜注意報がでるなど急激に気温が下がり、そのためか少なくとも48時間以上こうして交尾状態を継続した。

交尾後, 48時間後。


同様に48時間以上交尾を継続したペアたち。







例年、我が家の庭の赤ボケでは初冬の頃、エゾシロチョウの越冬巣がかなりみられるものの、今回のように多数のエゾシロチョウが発生したのは初めてで、とても興味深い一連の観察ができた。
今回、私にとっては【 おそらく多くの読者の方たちにとっても 】おもいがけない観察結果が続いた。




ジージ。 あのね。 交尾って何??。




 まだまだ。 エゾシロチョウエフェメラルのドラマは さらに続きます。


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寄生されたエゾシロ幼虫、アオムシコマユバチ繭塊を守り3週で死亡。

2015-06-18 21:59:28 | エゾシロチョウ 
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寄生されたエゾシロ幼虫、アオムシコマユバチ繭塊を守り3週で死亡。

2015-6-1 (月) 晴れ



朝からたくさんのエゾシロチョウが庭を飛んでおり実に壮観だ。数えると15匹くらいが飛んでいる。

赤ボケの茂みのあたりを飛び回り、交尾中のペアにちょっかいをかける♂が目立つ。

交尾は、すべて♀の羽化直後にあっと言う間に行われる。

♀は交尾した♂を引きずり、ぶら下げながら羽根を伸ばし、乾かしてゆく。エゾシロチョウの一生で最もドラマチックな時であろうか。

赤花ボケの木から大移動したところで 2015-5-10 に体から20数匹のアオムシコマユバチ幼虫が出てきて繭塊を形成、その繭塊にびっしりと厳重に糸をかけた後も、繭塊を守り続けてきたエゾシロチョウ終令幼虫。

それから22日目になるが、このエゾシロ幼虫はどうなったのであろう。

昨日夕方には、まだかすかに動き生きていた。今朝みると、幼虫の姿は消えていた。



地面をさがしたが姿はなく、落下後の幼虫は、おそらくアリに運ばれていったと思われた。




今回の観察ではアオムシコマユバチが出たエゾシロ終令幼虫は、その後約3週間前後にわたって、繭塊にしっかり糸かけをしながら、命の続く限りそれを守りつづける事がわかった。

何らかの不思議な仕組みで脳を支配され、自身の天敵アオムシコマユバチをひたすら守り続けたのである。



赤ボケの茂みをみると、鮮やかな黄色いアオムシコマユバチの繭塊の多くはほとんどよく見てもわからない形にくずれたり、糸がほずれてばらばらになって消え去ろうとしていた。

おびただしい数のアオムシコマユバチの羽化はすでにほとんどが終了していた。

アオムシコマユバチの寄生は、寄生されたエゾシロ幼虫自身にとっては最悪の悲劇かもしれないが、そのエゾシロチョウ個体群全体にとっては爆発的発生による個体群自滅を防ぐ精緻な生態系の仕組みではないだろうか。





PS; 2015-6-18 午後、たまたま見た職場食堂のTVで30日間、食事を絶っているが体の調子は最高という有名な俳優さんが出ていてビックリ。しかしよく番組を見てゆくと、水分や塩飴やブドウ糖は摂っているといい肌の色つやも良く完全断食とはいえない、大分怪しい感じ。おまけにこの番組のスポンサーは2ヵ月でナイスバディの大宣伝、実態は過激な dietなどで トラブルを報じられている例の会社でした。今回、3週間にわたって観察したエゾシロチョウ幼虫は、正真正銘、完全に飲食を断ちひたすらアオムシコマユバチの繭塊を守り抜き、ついに萎縮衰弱死したのでした。



          この項 続く   


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エゾシロチョウはいつ交尾するのだろう ?

2015-06-14 00:14:41 | エゾシロチョウ 
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エゾシロチョウはいつ交尾するのだろう ?。


2015-5-30(土) 晴れ 気温30.0℃ 強風

この日は朝からぐんぐん気温があがり我が家の庭では約30℃となり真夏のようです。

ただ、かなりの強い風が吹いており、そのためか体感温度はそれほど高いとは感じません。

エゾシロチョウ幼虫のため丸裸にされ、枯れ木みたいになっていた庭の赤ボケの枝に一斉に若葉がではじめています。

その枝に鈴なりになっていたエゾシロチョウの蛹が続々と羽化し始めています。

強風のなか、風を避けながら上手に羽根を延ばし、ゆっくり乾かして羽化液を排出してから舞い立ってゆきます。

♂が多いのですが♀も羽化し始めています。蛹の背中を割って♀の蝶が現れたとたん数匹の♂がもつれるように絡み合い、あっというまに交尾成立。

♀はしかたなく交尾された状態で羽根を延ばし、かなり苦労しながら羽根が乾くのを待ちます。














その合間にも他の♂たちが次々にちょっかいをかけにきますがガッチリ交尾成立しているため、もうどうにもなりません。






風にあおられて♀のやわらかい羽根がぐにゃぐにゃに曲がりますが、風がおさまる合間に、なんとか体制をたてなおし再び羽根をピンと伸ばして乾くのを待ちます。

その間にも、絶え間なく他の♂が交尾をせまってちょっかいをかけてきますが、状況はかわりません。 

約1時間後、また見に行くとまだ交尾中ですが♀の羽根はまだやわらかく、固まっていないように見えます。 



交尾はいったいいつまで続くのでしょうか。のちほど驚愕の交尾時間を知ることになります。

日が傾いてきたせいか、他の♂たちは三々五々、あちこちに止まって静止状態になっていました。

野外ではエゾシロチョウの交尾拒否行動はいたるところでみかけるが、実際に交尾中のペアを観察する機会は発生木付近以外では普通見られない。

おそらく、このように羽化中ないし羽化直後にほとんどの交尾が行われるせいであろう。

もしかすると、エゾシロチョウのように群生蛹化する蝶以外でも、観察の機会が少ないだけで、羽化直後交尾の傾向はないのだろうか。

私はエゾツマ×ツマジロや、エゾヒメギフ×ヒメギフの人工交配【ハンドペアリング】をずいぶんやったが、強制的に交尾させる場合は羽根が乾いてからでなければ無理なので、そのような視点はなかった。

自然界では実際はどうなのか、急に興味が湧いてきた。ただ、エゾシロチョウのように密集生活をする蝶以外では観察の好機は稀とおもわれる。


          この項 続く。


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寄生蜂の繭塊を守り続け瀕死のエゾシロ幼虫

2015-06-12 18:47:28 | エゾシロチョウ 
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寄生蜂の繭塊を守り続け瀕死のエゾシロ幼虫

2015-5-30 (土) 強風 曇り時々晴れ 暑い

昨日、今日と気温があがったせいか エゾシロチョウ 盛んに羽化している。 

移動してアオムシコマユバチの繭塊を守っていたエゾシロ幼虫は、この2日間気温があがったせいか、みるもあわれにしぼんでしまった。










それでも、もうおおかたアオムシコマユバチが羽化してしまった繭塊を、いまだにまもって張り付いていた。

かすかに動き、まだ生きている。










羽化したてのエゾシロチョウ♂が近くにやってきた。



        この項 続く



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