北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

寄生蜂が出て16日めのエゾシロ幼虫

2015-06-11 20:13:59 | エゾシロチョウ 
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寄生蜂が出て16日めのエゾシロ幼虫。

2015-5-26 (火) 薄曇り 夜小雨 19℃  朝夕冷え込む


北見地方 霜注意報がでた。 明日の朝は下手をすると0℃以下にグンと冷え込むようだ。小雨が降っているが しかたないので トマト キュウリ ナス の苗に全部ビニール袋をかぶせた。 今回で今年三回目の 霜予防の袋掛けである。 早く収穫するために、早めに苗を植えると 霜との戦いになる。 けっこう大変だ。

赤花ボケの木から大移動したところで 2015-5-10 に体から20数匹のアオムシコマユバチ幼虫が出てきて繭塊を形成、その繭塊にびっしりと厳重に糸をかけた後も、繭塊を守り続けているエゾシロチョウ終令幼虫。

それから16日目になるがエゾシロ幼虫はまったく摂食することなくさらに衰弱萎縮しつつある。


しかしまだ生きていて、しっかり繭塊を守り続けている。


この間、アオムシコマユバチは羽化し続けており、抜け殻となった繭ばかりになってきた。見ていて哀れに感じるほどいとおしそうに繭塊をやせた体で覆うようにして守っている。 



2015-5-29 (金) 晴れ 強風 30℃

朝はかなり冷え込んだ。午前10時、風は滅法強く吹いているが、気温はぐんぐん上がってきた。

今のところ強い風のせいで体感温度はさほど暑く感じないが暑くなりそうだ。

例のエゾシロ終令幼虫は、かなりしぼんでしまったがいまだアオムシコマユバチの繭塊に張り付いている。当初繭塊をぎっしりきっちり保護していた糸がほつれはじめ、アオムシコマユバチも多くは羽化していったようだ。それでもエゾシロ幼虫はしっかり繭塊を守り続けている。






この庭を多数のエゾシロチョウが飛び始めます。


      この項 続く。



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韓国ではエゾシロチョウは絶滅危惧種

2015-06-10 21:26:59 | エゾシロチョウ 
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韓国ではエゾシロチョウは絶滅危惧種



庭のエゾシロチョウの蛹を孫たちの勉強机につけておいたら続々と羽化しはじめ、子供たちがエゾシロチョウと遊んでいます。

ブログの読者の方から興味深い情報提供がありました。

 〉韓国でのエゾシロ壊滅の原因には興味があるところですが寄生蜂などによる
  発生量コントロールがなくなった可能性はないでしょうか。



青山 之也  投稿日:2015年 6月10日(水)08時34分14秒

森 一弘さん 道昆のブログを楽しみに拝見してます。


参考までに韓国のエゾシロチョウについての情報をお伝えします。
韓国の蝶図鑑及び韓国の蝶に詳しい人の情報によると以下の様です。
 
 ①、朝鮮半島では本来の分布は38°線以北。
 ②、1971年頃に南鮮で突然大発生があり、その後散発的に発生が
   続き、1990年代前半以降の情報はない。


また、最近のネット検索では下記のような記事がありました。



北朝鮮から海外に流出した蝶の標本 ソウルに戻る
2010年08月09日10時38分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

  北朝鮮から海外に流出した昆虫の標本2000点が国内に搬入された。08年から国立生物資源館が続けてきた返還努力の最初の結実だ。

  国立生物資源館は8日、ハンガリー・ブダペストのハンガリー自然博物館が保有していた北朝鮮産昆虫標本30万点のうち、蝶の標本2000点を7月末に国内に搬入し、税関通関手続きを進行中だと明らかにした。

  7つの木箱に入った昆虫標本は早ければ9日、生物資源館側に引き渡される。年末までさらに500点が追加で返還される予定だ。これまで農村振興庁が海外から国産の種子を返してもらったことはあったが、生物標本が大規模に返還されるのは初めて。

  生物資源館のパク・ソンジェ博士(昆虫学)は「今回返還された標本の中には環境部が絶滅危機種1級に指定したエゾシロチョウなど北朝鮮で採集された蝶350余種が含まれている」と説明した。生物資源館側は標本に書かれた学名に基づき韓国語の昆虫名を把握し、今月中発表する計画だ。

  エゾシロチョウは98年以降、韓国では観察されていない。一部の人は、北方系のこの蝶が地球温暖化のため韓国から消えたと推定している。これを受け、採集場所と採集時期がともに記された蝶の標本を分析すれば、北朝鮮内の蝶の分布はもちろん、気候変化が韓半島昆虫生態系に及ぼす影響も把握できる見込みだ。

  ハンガリーは1970年から2007年まで計27回にわたり大規模採集調査団を韓国・北朝鮮に派遣、昆虫など30万点の韓半島産動物標本を採集したという。また中国などでは北朝鮮の昆虫標本1つが数十ドルで取引されたりもした。北朝鮮から海外に搬出された昆虫標本は計150万点にのぼると、学界は推定している




いずれにしても 朝鮮半島ではエゾシロチョウは一目おかれている蝶のようです。エゾシロチョウは韓国で 環境部が絶滅危機種1級に指定したエゾシロチョウ といった表現がなされており かなり危うい状況【絶滅??】になっている感じです。 隣国では絶滅危惧種のエゾシロチョウ、時にリンゴの害虫とはいえ北海道の蝶愛好家にとっては消えてほしくはない愛すべき蝶です。最近の北朝鮮におけるエゾシロチョウの現状についても知りたいものです。


北見市の赤ボケの庭では エゾシロチョウのドラマが続いています。




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エゾシロチョウ続々と蛹化、アオムシコマユバチ繭塊増加。

2015-06-06 20:35:44 | エゾシロチョウ 
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2015-5-24(日) 晴れ

エゾシロチョウ続々と蛹化、アオムシコマユバチ繭塊増加。

庭の赤ボケではエゾシロ終令幼虫が続々と蛹化し続けています。

黄色く鮮やかなのは♂の蛹、やや白っぽくて大型の蛹は♀。この蝶は蛹で♂♀がよくわかります。


これは♂の蛹です。接するようにアオムシコマユバチの繭塊。


これは♀の蛹。

あちこちでアオムシコマユバチの繭塊が増え始め、寄生蜂幼虫が出てきたエゾシロ幼虫は、その繭塊にせっせと糸をかけて強靱なものにすると同時に、命がつきるまで何も食べずにその繭塊に張り付き、体を張って守り抜きます。




このエゾシロチョウ幼虫ははや力つきそうですが、まだ生きています。









これは繭塊をまもるべき幼虫がみえず、無防備状態? の繭塊。


長距離移動した後に寄生蜂がでた前述の幼虫をみますと、この日、この幼虫が守ってきた繭塊はすでにいくつかの繭からアオムシコマユバチが羽化し始めていました。





やせさらばえたエゾシロ幼虫はこの抜け殻まじりの繭塊を依然として守ってそれにしっかり張り付いていました。

アオムシコマユバチは一斉に羽化するのではなく段階的に羽化してゆくようです。

多数のエゾシロ幼虫の食害で枯れ木みたいになっていた赤ボケの枝にみるみる新しい新芽が吹いてきました。


アオムシコマユバチによる適切な発生量コントロールがあるかぎりエゾシロチョウは食樹そのものを枯死させることはないように思います。もし、アオムシコマユバチによるコントロールが失われれば幼虫大軍団は猛烈な勢いで葉を食べ尽くし、その結果、全幼虫が餓死・全滅する可能性が無いわけではありません。

韓国ではエゾシロチョウがごく最近になってほぼ絶滅しました。北海道でのエゾシロチョウの発生状況をみるかぎり、エゾシロチョウが消えてしまうなど想像できないことです。

韓国でのエゾシロ壊滅の原因には興味があるところですが寄生蜂などによる発生量コントロールが効かなくなった可能性はないでしょうか。

  この項、続く。 もうしばらくエゾシロチョウのドラマが続きます。


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エゾシロチョウ超異常大発生、オホーツクの海岸線の森

2015-05-24 00:07:12 | エゾシロチョウ 


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エゾシロチョウ超異常大発生、オホーツクの海岸線の森


キタキツネ物語をはじめ多数の動物の写真集を出している竹多津実さんが、オホーツク沿岸斜里町でのエゾシロチョウの大発生を写真集にして出版していました。- エゾシロチョウ オホーツクの丘の群舞  竹多津 実 著  北海道新聞社 1994 -      

1992年、初夏、実は私もこの大発生を実際に見ました。当時、仕事で何度も斜里町を訪れていたのです。汽車の窓から見ました。

まるで海岸線の背の低い森全体がおびただしい数のエゾシロチョウに白く覆われ、羽ばたく蝶たちのせいでその森全体がわさわさと動いているかのように見えました。











これはなんとか記録しておきたいと強く思いましたが、仕事の関係で時間はとれず、撮影機材は愛用の ミノルタ α-9000 しかありません。今のようにデジカメで容易に撮影できるような時代ではなく、残念に思っていたのです。

その後、しばらくしてこのすばらしい写真集が出版され、私はびっくりすると同時にとてもありがたくおもいました。

竹多津さんは必ずしも蝶の専門家というわけではないようですが、この蝶については造詣が深く、当時、まだ斜里町に住んでおられ、いちはやくこの異常大発生をつぶさに観察し、素晴らしい映像で記録してくれていたのです。

興味のある方は是非この写真集をご覧になってください。きっと南陽堂にはあるのではないかと思います(当時2200円)。


何故、こんな大発生が起こったのか、原因はさだかではありませんが天敵のコントロールが効かない状況であったことは想像にかたくありません。

北見あたりでエゾシロチョウを飼育すると、幼虫のほとんどがアオムシコマユバチにやられていることすら稀ではありません。

この写真集ではエゾシロチョウの天敵があまり出てこないところをみると、まさに天敵による発生量のコントロールが効かない状況であったのではないかと考えたいところですが如何なものでしょうか。


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エゾシロチョウの羽化

2015-05-19 20:37:10 | エゾシロチョウ 
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にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村2015-5-17 (日) 晴れたり曇ったり 15℃ 風強く寒い

エゾシロチョウの羽化。



午後3時ころ。何となく気配を感じて振り向くとエゾシロチョウ1♂が知らないうちに羽化していた。














部屋にいれておいたものなので野外よりは早めの羽化かも知れない。エゾシロチョウが羽化するとき、蝶は羽根を伸ばしきった後、ピンク~赤色の羽化液を肛門からボタボタ落とす。セロテープ台が下にあったので汚されていた。

エゾシロチョウはじめ Aporia 属の蝶は支脈異常がみつかりやすい。

この♂も左前翅頂にわずかな異常あり。ヒメウスバやウスバシロチョウでもこの手の支脈異常は発見しやすい。


羽化したては、どの蝶でもとても美しいものです。





こんな単純きわまりない色調斑紋ですが、いくつか亜種があって、私はゴビ砂漠亜種、サヤン山脈亜種などを採集したことがあります。








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