「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「SL 現役!」

2008年11月25日 | 思い出話
女優さんや男優さんが輝くには、多くのスポットライトを浴びる舞台がある。
人が輝くには、その人なりの豊かな人生経験や、衰えぬ好奇心・向学心がスポットライトや舞台の代わりをする。
今なお現役で、濛々たる黒煙を吐きながら列車を引っ張るSL機関車にふさわしい背景は、黄金色に輝く田園風景・白波を立てて荒れる海・緑に囲まれた山あいのトンネルを抜ける風景……などが引き立て役となって主役を輝かせる。
どうみても、高層ビル立ち並ぶ大都会の真ん中は、SL機関車にとって少し場違いな感じに見えてくる。

現役の「SL山口号」。通勤・通学に使われるほどの定期便ではない。が、期間限定・不定期便ながら「新山口駅」~「津和野駅」間を堂々と乗客を運ぶバリバリの現役機関車なのだ。
幸いにも、このSLさんが走る山口線は、昔ながらの緑豊かな山あいを、さほどに急ぐわけでもなく、適度な坂道を登ったり下ったり……それは優雅な、忘れかけていたゆっくり旅の一コマであり、味わい深いものがある

数多く製造された機関車の中でも、最も美しいデザインと評され、その名も「蒸気機関車の貴婦人」と呼ばれているCー57。
一般的に見られる、あの力強さが売りのDー51(デゴイチ)とはちょっと違ったおもむきを感じる。

幼い頃、山陽本線の間近に家があって、あの汽笛・蒸気を噴かす列車の音を子守歌に聞きながら育った。煤煙で鼻の穴が黒くなったとか、煤煙で麦わら家が火事になった…などなど色んな逸話と共に過ごしてきたSL機関車。現役で走る姿を見られることは、なんだか得をした気分にさせられる。

今シーズンは、昨日11月24日で運行が終了となった。主に観光客の輸送で、129日間の利用者数は約7万人だったそうである。
日本列島の大動脈として、縦横無尽に走り続け、人間生活の全ての基盤を支えてきた蒸気機関車。
新幹線一辺倒の今なお、現役として走り続ける背景としては、静かな山の緑・色づく秋の山肌・ひなびた人里が最高のシチュエーションである。
先日、津和野のお稲成さんにお詣りしたとき、運良く通りかかったSLにカメラを向けた。少し遠い上にあいにくの曇り空、絵になる風景には物足りなさがある。 どうぞご勘弁を……。
       
      ( 写真: 黙々と走り続ける、現役のSL 山口号 )
コメント (8)
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