「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「時効……」

2008年11月27日 | 思い出話
11月も下旬に入り、勤労感謝の日を前後する頃になると決まったように遠い昔が思い出される。
農家の取り入れも完全に終わり、冬支度に忙しくなるこの頃に毎年、青年団が小学校の講堂を借りて素人演芸会を開いていた。

寄せ集め楽団の演奏をバックに歌謡大会。但しこれは前座。本命はやはり、縞の合羽に三度笠、手っ甲・脚絆に身を包み、長脇差一本ぶち込んで踊るは「名月赤城山」。
何人かの舞踊ショーが済んだらキリ狂言、「吉良の仁吉」ときたもんだ。

♪♪ 好いた女房に 三行半(みくだりはん:離縁状)を 投げて長脇差 長の旅 恨むまいぞえ おいらのことは ……♪
などという歌で始まる歌謡芝居。外題も筋書きもセリフも、流行に流行ったメジャー級。
ところが演じる役者はド素人。 声は小さい通りは悪い……時折パラパラと親戚の者が拍手をくれる程度。
それでも下手は下手なりに必死だったなー。セリフの言い回しはどれほど練習しても納得行かなかった。その分、踊りでカバーした…と本人は思っている。

この演芸会に向けて9月終わり頃から練習が始まる。段々寒くなってくる。本番近くなると、講堂の板敷きの冷たさが身にしみる。練習が終わるといち早く、近くのお好み焼き屋の鉄板を囲み反省会。ほとんど毎夜。

ついつい弱いのも忘れて熱燗のコップ酒に手を出す。これが失敗。ある晩ちょっと飲み過ぎた。まさに七転八倒の急性アルコール中毒。あれ以来、今もって熱燗のプーンと来るあの匂いだけで酔った気分になってしまう。

そんなことこんなことを身をもって体験しながら、今があるんだなーと思う。晩秋というより初冬の煌々と冴える月を見ると、気分はあの頃にスーっとタイムスリップする。 なんでもかんでも食らいついて必死だったような気がする。 今は、食らいつく気持ちに変わりはないが、少し歯が弱って、なんでもかんでも…とは行かなくなった。

愚にも付かない回顧録のお粗末…… チョーン!!

       ( 写真: 恥も外聞もない若さの特権。素人演芸会 )


コメント (14)
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