「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「青春のかけらが・・・」

2013年08月13日 | 思い出話

                                 
                                 次から次に建設される高層マンション

半世紀以上前に、地元岩国にも百貨店という大型店舗が、市の中心部近くに出現した。
記憶が正しければ「寿屋百貨店」と言う名前だったと思う。地上5階建てエレベーター付き。最新鋭高層店舗。
昭和33年ごろの戦後復興の形が目に見え始めたころにやってきた。若い女性にとって玉の輿にも似た就職先であった。

同級生の中で一番の美人と評判だった彼女が、厳しい就職戦線の先陣を切って、誰よりも早く就職内定を得たのがその百貨店であった。彼女は2年生のころから美人だ美人だと言われていた。
ただ個人的には「そうなん?」「ああいうのが美人なの?」という程度の思いだったし、別に意識もせず男友達と同じ感覚でワイワイ騒ぐ仲間だった。
卒業してしばらくして会って見ると「きれいな人じゃ」と思えるほど変わっていた。百貨店と言う職場で磨かれたのであろう。みんなが言っていた通り、同級生の中で最も美人だと思うようになった。ただそれだけのことだった。

その当時としては鳴り物入りで岩国進出を果たした百貨店ではあったが、所詮田舎の小さな町。
購買力も低い上に、世の中の流行やセンスに付いていきにくい部分もあったようで、開店から20数年で幕を下ろしたと記憶する。
一つには、急速に進んだクルマ社会への対応が遅れたことである。駐車場の整備されていない店舗など、いくら頑張っても集客力は知れたもの。
街中から遠く離れた郊外でも、広大な駐車場を有する大型商業施設が成り立っているのをみても分かる。

経営者も変わり、商売内容も変えて再開したものの、結局は長続きしなかった。
そんな紆余曲折を経て、華々しかったかつての百貨店は今、建物からして完全に消えた。
重機が音を立てて取り壊し、更地にもどした。
線路を挟んで立っている真新しい高層マンションに対抗して、新たなマンションに生まれ変わろうとしている。

映画館も消えた。若き日の面影を残していた建物が今また消えた。
私の青春のかけらが、一つひとつつぶされていくような街の変わりように、付いていきにくい。
古い町から近代都市に生まれ変わろうとしている流れに合わせ、こちらの気持ちを切り替えなければいけないのかな~

コメント (2)
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