物みな枯れそうなこの夏。全く雨が降らない。お盆を過ぎてもなおまだ暑い。
そんな水不足で厳しい残暑の中でも、白く清楚なテッポウユリが、華奢な身体をすっくと伸ばしながらも、何故か花はうつむき加減に咲いている。我が家の至る所に、そして隣りの空地にも、目立つ白さで存在を誇っているかのようだ。
三軒先のお隣には、8月が最盛期といわれるサルスベリが、こちらも暑さなどものともせず可憐に咲いている。
こちらは、濃いめのピンクで、青空を背景にひと際あでやかに人目を引く。
“ 土近く 朝顔咲くや 今朝の秋 ” 虚子
本来ならこの時季、ホーっとひと息つけるような涼風が頬なでるころである。
朝顔も、下の方に付けたつぼみが、夜露をふくんでひっそりと咲いている。そんな秋近しを思わせるあさを「今朝の秋」というのだそうな。それにしては未だ虫の声も聞こえないね~
そんな秋の訪れを待つかたわらで、高校球児の夏甲子園が熱い。
いよいよ4チームにしぼられた。泣いても笑ってもあと二つを勝ち抜いた者が、頂点を極め栄冠を手にする。
明日一日の休養で英気を養い、暑さも汗も無縁な気持ちの高まりであさってに懸ける。
選手はもとより、観客席で声援を贈る高校野球ファン、審判や大会関係者、グラウンドキーパーなどなど、多くの人のご苦労に熱いエールを送りながら楽しませてもらっているひとりである。
熱中症に犯されないよう細心の注意を払って、いい条件のもと全力プレーに集中してもらいたいものだ。
そうして、優勝旗が贈られ、大会旗が降納されるころには、本当の秋が訪れるのを期待しよう。
夜空には、旧暦7月の十三夜のお月様が冴えている。